歯周疾患治療における保険診療上のI型とII型の比較調査

歯科臨床医10名の協力を得て, 保険診療上I型で歯周治療を行った患者20名, II型で行った患者20名について調査を行った。患者群は, 年齢, 男女比, 病型, メンテナンス期間共にほぼ同じ構成を示すように配慮した。本調査用に作成した診査用紙およびX線写真から, オレリーのプラークコントロールレコード, 歯周ポケットの深さの変化 (各歯の最深部), 動揺度の変化, プロービング時の出血部位数の変化, 歯周治療開始前の歯槽骨吸収の程度 (口腔内を6分割し, 各分画において骨吸収度の程度を評価する) について検討し, さらに, I型とII型に分ける際の術者の選択基準を加味したところ, I型ではやや...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 35; no. 2; pp. 404 - 408
Main Authors 和泉, 雄一, 林, 丈一朗, 石川, 烈, 萩原, さつき, 岡田, 昭五郎, 青木, 章, 末田, 武, 秋本, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1993
日本歯周病学会
Subjects
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.35.404

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Summary:歯科臨床医10名の協力を得て, 保険診療上I型で歯周治療を行った患者20名, II型で行った患者20名について調査を行った。患者群は, 年齢, 男女比, 病型, メンテナンス期間共にほぼ同じ構成を示すように配慮した。本調査用に作成した診査用紙およびX線写真から, オレリーのプラークコントロールレコード, 歯周ポケットの深さの変化 (各歯の最深部), 動揺度の変化, プロービング時の出血部位数の変化, 歯周治療開始前の歯槽骨吸収の程度 (口腔内を6分割し, 各分画において骨吸収度の程度を評価する) について検討し, さらに, I型とII型に分ける際の術者の選択基準を加味したところ, I型ではやや重症の患者を治療し, II型ではこれより軽症の患者を治療する傾向が見られたが, 同程度の治療効果が得られた。以上のことから保険診療上のI型の歯周治療は有用であり, 今後一般臨床医の間にも普及することが望まれる。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.35.404