心臓MRIにおける遅延造影の判定を行う深層学習モデルの開発

【目的】心臓MRIにおける遅延造影画像の造影心筋の有無を判定する深層学習モデルを開発し有用性を検証する.【方法】当院で実施した造影心臓MRIを対象とし,遅延造影の左室心筋短軸像174枚を収集した.このうち144枚を学習データとし,心臓を対象とした関心領域の抽出,信号値のスケーリング,データ拡張を施し,学習用画像3312枚とした.正解ラベルは当院循環器内科専門医の読影結果を用いた.畳み込みニューラルネットワークを用いてデータ拡張前後各々に対して学習モデルを構築し,テスト用画像30枚で検証を行なった.収集した全症例の平均年齢は56.4±12.1歳,男女比は1:0.82であった.【結果】データ拡張前...

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Published in日本放射線技術学会雑誌 Vol. 80; no. 7; pp. 750 - 759
Main Authors 上原, 雅恵, 五ノ井, 渉, 阿部, 修, 岩永, 秀幸, 笠原, 朗弘, 岩崎, 貴大, 水谷, 拓也, 小寺, 聡, 関根, 芳晴, 上山, 毅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本放射線技術学会 2024
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ISSN0369-4305
1881-4883
DOI10.6009/jjrt.2024-1421

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Summary:【目的】心臓MRIにおける遅延造影画像の造影心筋の有無を判定する深層学習モデルを開発し有用性を検証する.【方法】当院で実施した造影心臓MRIを対象とし,遅延造影の左室心筋短軸像174枚を収集した.このうち144枚を学習データとし,心臓を対象とした関心領域の抽出,信号値のスケーリング,データ拡張を施し,学習用画像3312枚とした.正解ラベルは当院循環器内科専門医の読影結果を用いた.畳み込みニューラルネットワークを用いてデータ拡張前後各々に対して学習モデルを構築し,テスト用画像30枚で検証を行なった.収集した全症例の平均年齢は56.4±12.1歳,男女比は1:0.82であった.【結果】データ拡張前後で感度は93.3%で一貫し,特異度は0.0%から100.0%に,精度は46.7%から96.7%に向上した.【結語】本研究により開発された深層学習モデルは高い精度を示し,その有用性が示唆された.
ISSN:0369-4305
1881-4883
DOI:10.6009/jjrt.2024-1421