ラットにおける実験的歯周手術後のI型及びIII型collagen形成量の変動に及ぼす没食子酸プロピルの影響
ラット実験的歯周手術後に創傷部に形成されるI型及びIII型collagen量を蛍光免疫染色及び画像解析の手法を用いて半定量的に測定することを試みた。その際, 没食子酸プロピルの歯肉創傷部におけるcollagen形成量に対する影響についても併せて検索した。その結果, プラセボ群におけるI型collagen形成量は創傷後3~7日目の間有意な変化がないのに対し, III型collagen形成量は創傷後5, 7日目で有意な増加を示した。一方, 没食子酸プロピル投与群ではI型collagen形成量は創傷後5日目以降, さらにIII型collagen形成量は創傷後3日目より5日目までプラセボ群に比較して有...
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Published in | 日本歯周病学会会誌 Vol. 37; no. 1; pp. 84 - 96 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
1995
日本歯周病学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0385-0110 1880-408X |
DOI | 10.2329/perio.37.84 |
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Summary: | ラット実験的歯周手術後に創傷部に形成されるI型及びIII型collagen量を蛍光免疫染色及び画像解析の手法を用いて半定量的に測定することを試みた。その際, 没食子酸プロピルの歯肉創傷部におけるcollagen形成量に対する影響についても併せて検索した。その結果, プラセボ群におけるI型collagen形成量は創傷後3~7日目の間有意な変化がないのに対し, III型collagen形成量は創傷後5, 7日目で有意な増加を示した。一方, 没食子酸プロピル投与群ではI型collagen形成量は創傷後5日目以降, さらにIII型collagen形成量は創傷後3日目より5日目までプラセボ群に比較して有意な増加を示した。以上の結果から, 実験的歯周手術後の創傷部ではまずIII型collagen形成が先行するのに対し, I型collagen形成は少なくとも術後7日までは著明な変化を示さないこと, さらに没食子酸プロピルはこれらのcollagen形成を促進させることが示唆された。 |
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ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
DOI: | 10.2329/perio.37.84 |