セグメント化ポリウレタンウレア中へのジメチルフォルムアミドとジメチルアセトアミドの拡散係数の測定

セグメント化ポリウレタンウレア(SPUU)の乾式紡糸工程には溶剤としてDMFまたはDMAcが使われている.乾式紡糸工程のシミュレーションでは拡散係数が基礎データとして必要不可欠である.しかしSPUU中へのDMFの拡散係数に関しては大沢らの報告以外には見当たらない.その上,この拡散係数は液体中への液体の相互拡散に限られているため,糸条がノズル付近の液体状態から巻き取り付近の固体状態に変化する乾式紡糸の全工程にわたって適用することはできないと考えられる.そのため本研究では石英スプリングを用いた実験装置を新たに製作し,収着実験よりSPUUフィルム中へのDMF(またはDMAc)の拡散係数を新たに求める...

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Published in成形加工 Vol. 18; no. 7; pp. 517 - 523
Main Authors 李, 光洙, 川竹, 謙一, 李, 欣, 山田, 敏郎, 多田, 薫, 勝尾, 憲一, 石原, 英昭
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 プラスチック成形加工学会 20.07.2006
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Summary:セグメント化ポリウレタンウレア(SPUU)の乾式紡糸工程には溶剤としてDMFまたはDMAcが使われている.乾式紡糸工程のシミュレーションでは拡散係数が基礎データとして必要不可欠である.しかしSPUU中へのDMFの拡散係数に関しては大沢らの報告以外には見当たらない.その上,この拡散係数は液体中への液体の相互拡散に限られているため,糸条がノズル付近の液体状態から巻き取り付近の固体状態に変化する乾式紡糸の全工程にわたって適用することはできないと考えられる.そのため本研究では石英スプリングを用いた実験装置を新たに製作し,収着実験よりSPUUフィルム中へのDMF(またはDMAc)の拡散係数を新たに求める.そして実験データから,拡散係数と温度の関係をアレニウス式で表現する. この論文では,実験で求めたDMFとDMAcの拡散係数の温度依存性の比較と,モアレパターン法とフィルム法で求めた拡散係数の比較検討する.フィルム法で求めた拡散係数はモアレパターン法で求めた拡散係数の10分の1ぐらいである.そしてフィルム法で求めたDMFとDMAcの拡散係数はほぼ同じである.
ISSN:0915-4027
1883-7417
DOI:10.4325/seikeikakou.18.517