リウマチ膠原病アレルギー患者に対するサフランの効果
サフランは,駆瘀血剤として使用される。瘀血は西洋医学的な病態で考えると,血液の粘稠度亢進と微小循環障害と解釈できる。今回我々は,サフランの臨床的な駆瘀血効果を観察し,血小板活性化の指標である,platelet factor4(PF-4)とbeta-thromboglobulin(β-TG)を瘀血のマーカーとして検討した。 リウマチ膠原病アレルギー患者71人(女性66人,男性5人,平均年齢52.3 ± 16.1歳)にサフラン(300mg∼900mg)を投与し,78.7%(n=37/47)の自覚症状の改善を認めた。投与前後での血漿中PF-4,β-TGともそれぞれ有意な改善を認めた(PF-4:49....
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Published in | 日本東洋医学雑誌 Vol. 62; no. 4; pp. 548 - 555 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本東洋医学会
2011
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-4857 1882-756X |
DOI | 10.3937/kampomed.62.548 |
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Summary: | サフランは,駆瘀血剤として使用される。瘀血は西洋医学的な病態で考えると,血液の粘稠度亢進と微小循環障害と解釈できる。今回我々は,サフランの臨床的な駆瘀血効果を観察し,血小板活性化の指標である,platelet factor4(PF-4)とbeta-thromboglobulin(β-TG)を瘀血のマーカーとして検討した。 リウマチ膠原病アレルギー患者71人(女性66人,男性5人,平均年齢52.3 ± 16.1歳)にサフラン(300mg∼900mg)を投与し,78.7%(n=37/47)の自覚症状の改善を認めた。投与前後での血漿中PF-4,β-TGともそれぞれ有意な改善を認めた(PF-4:49.6 ± 29.8→24.0 ± 19.6,β-TG:117.5 ± 64.0→64.6 ± 47.1,paired t-test, p < 0.0001)。サフランは,膠原病患者に対する血小板活性化を抑制することが明確となった。これらの結果より,PF-4,β-TGは瘀血と関連する可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 0287-4857 1882-756X |
DOI: | 10.3937/kampomed.62.548 |