三重県津市の保健師に対する小児気道異物に関する意識調査

小児の気道異物事故の啓発には乳幼児定期健診の機会が有効である。健診に携わる三重県内全29市町の保健所所属保健師110名及び各市町保健所代表者29名に対し,気道異物の知識・健診時の啓発状況・啓発に関する要望などをアンケート調査した。各保健師への調査Aでは,気道異物の知識は豊富だが,誤飲の原因異物との混同が示唆される結果が得られた。健診時の啓発実施率は,窒息が58.2%,乾燥豆類による事故が34.5%と低率であった。一方,各市町保健所代表者への調査Bでの啓発実施率は窒息が69.0%,乾燥豆類による事故が51.7%で,ともに保健師より高率であり,実際の指導状況と異なっていた。保健師は気道異物を学習で...

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Published in小児耳鼻咽喉科 Vol. 41; no. 3; pp. 299 - 305
Main Author 坂井田, 麻祐子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児耳鼻咽喉科学会 2020
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ISSN0919-5858
2186-5957
DOI10.11374/shonijibi.41.299

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Summary:小児の気道異物事故の啓発には乳幼児定期健診の機会が有効である。健診に携わる三重県内全29市町の保健所所属保健師110名及び各市町保健所代表者29名に対し,気道異物の知識・健診時の啓発状況・啓発に関する要望などをアンケート調査した。各保健師への調査Aでは,気道異物の知識は豊富だが,誤飲の原因異物との混同が示唆される結果が得られた。健診時の啓発実施率は,窒息が58.2%,乾燥豆類による事故が34.5%と低率であった。一方,各市町保健所代表者への調査Bでの啓発実施率は窒息が69.0%,乾燥豆類による事故が51.7%で,ともに保健師より高率であり,実際の指導状況と異なっていた。保健師は気道異物を学習できる機会が非常に少ない(6.9%)上,新たな啓発ツールを希望していることが分かった。各保健所・保健師間での知識・啓発手段の統一,啓発ツール作成が必要であると考える。
ISSN:0919-5858
2186-5957
DOI:10.11374/shonijibi.41.299