ガラス形成液体のシアシニング現象:有効体積分率の視点

“流れが速くなればなるほど,液体の流動抵抗が小さくなる”というシアシニング現象は,ほとんどのソフトマターで観測される普遍的な非ニュートンレオロジー現象である.それはガラス形成物質の場合にも例外ではないが,その発生機構については,現在も十分に理解されていない.本稿では,特にフラジャイルガラス形成液体について,剪断流下での有効体積分率(自由体積) の減少(増加) という観点から,シアシニングが定量的に説明されることを示し,その背後にある物理的な意味を議論する....

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Published inEnsemble Vol. 25; no. 2; pp. 137 - 142
Main Author 古川, 元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 分子シミュレーション学会 30.04.2023
The Molecular Simulation Society of Japan
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ISSN1884-6750
1884-5088
DOI10.11436/mssj.25.137

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Summary:“流れが速くなればなるほど,液体の流動抵抗が小さくなる”というシアシニング現象は,ほとんどのソフトマターで観測される普遍的な非ニュートンレオロジー現象である.それはガラス形成物質の場合にも例外ではないが,その発生機構については,現在も十分に理解されていない.本稿では,特にフラジャイルガラス形成液体について,剪断流下での有効体積分率(自由体積) の減少(増加) という観点から,シアシニングが定量的に説明されることを示し,その背後にある物理的な意味を議論する.
ISSN:1884-6750
1884-5088
DOI:10.11436/mssj.25.137