妊娠・産後の骨盤痛が歩行に及ぼす影響 : システマティックレビュー

「要旨:」[目的]妊娠・出産に関連する骨盤痛が妊娠中・産後女性の歩行に及ぼす影響を, 文献レビューにより明らかにすることを目的とした. [方法]6つの文献データベースとハンドサーチにて検索した論文について, 採択基準(妊娠期または産後の骨盤痛を有する女性の歩容の特徴)をもとに, 該当論文を1)歩行速度, 2)歩隔・歩幅・歩行周期, 3)骨盤-胸郭, 体幹, 股関節, COPの3つの項目について整理した. 文献の評価にはRisk of Bias Assessment Tool for Nonrandomized Studies (RoBANS)を使用した. [結果]採択論文は6編であった. 6編...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inヘルスプロモーション理学療法研究 Vol. 10; no. 1; pp. 1 - 8
Main Authors 坂本飛鳥, 星賢治, 岸川由紀, 田中真一, 蒲田和芳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ヘルスプロモーション理学療法学会 01.04.2020
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「要旨:」[目的]妊娠・出産に関連する骨盤痛が妊娠中・産後女性の歩行に及ぼす影響を, 文献レビューにより明らかにすることを目的とした. [方法]6つの文献データベースとハンドサーチにて検索した論文について, 採択基準(妊娠期または産後の骨盤痛を有する女性の歩容の特徴)をもとに, 該当論文を1)歩行速度, 2)歩隔・歩幅・歩行周期, 3)骨盤-胸郭, 体幹, 股関節, COPの3つの項目について整理した. 文献の評価にはRisk of Bias Assessment Tool for Nonrandomized Studies (RoBANS)を使用した. [結果]採択論文は6編であった. 6編より, 妊娠中に骨盤痛があると歩行速度は低下し, 歩幅は短く, 両脚支持期の延長を認めたが, 歩隔には有意差を認めなかった. 胸郭・骨盤回旋の動きは増大し, 骨盤の前後傾と股関節伸展可動域は減少した. [結論]妊娠中に骨盤痛があると顕著な歩容の変化が生じる. 一方, 産後における骨盤痛の歩容への影響は不明である.
ISSN:2186-3741
DOI:10.9759/hppt.10.1