精神科におけるanti-NMDAR脳炎:悪性緊張病と非定型精神病と電気治療

精神科領域において従来致死性(悪性)緊張病と呼び慣らわしてきた病態の経過が,抗NMDA受容体脳炎にきわめて類似していることが指摘された.これ以降,経過中に精神症状を呈する可能性の高い辺縁系脳炎は,精神科においても注目をあびることとなっている.難治性の病態ではある悪性緊張病だが,これまでには電気治療などが試みられて,ある程度の効果がえられていたと考えられる.抗NMDA受容体脳炎をはじめとした辺縁系脳炎の存在は,統合失調症患者群の異種性を明らかにしその一部の原因追求のため,重要な端緒になると思われる.本稿では,精神科領域からみた抗NMDA受容体脳炎と,その治療的アプローチについて述べる....

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Published in臨床神経学 Vol. 54; no. 12; pp. 1103 - 1106
Main Authors 神林, 崇, 高木, 学, 清水, 徹男, 面川, 真由, 西野, 精治, 田中, 惠子, 筒井, 幸, 大森, 佑貴, 森, 朱音, 草薙, 宏明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2014
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.54.1103

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Summary:精神科領域において従来致死性(悪性)緊張病と呼び慣らわしてきた病態の経過が,抗NMDA受容体脳炎にきわめて類似していることが指摘された.これ以降,経過中に精神症状を呈する可能性の高い辺縁系脳炎は,精神科においても注目をあびることとなっている.難治性の病態ではある悪性緊張病だが,これまでには電気治療などが試みられて,ある程度の効果がえられていたと考えられる.抗NMDA受容体脳炎をはじめとした辺縁系脳炎の存在は,統合失調症患者群の異種性を明らかにしその一部の原因追求のため,重要な端緒になると思われる.本稿では,精神科領域からみた抗NMDA受容体脳炎と,その治療的アプローチについて述べる.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.54.1103