Isaacs症候群とその周辺疾患
Isaacs症候群では,血液神経関門が脆弱な神経終末や神経根で自己抗体によりVGKCの機能異常が惹起され,過剰興奮がおこる.有痛性筋けいれん,ミオキミア,ニューロミオトニアなどの運動症状に加え,complex regional pain syndrome様の激しい痛みで発症する例もある.Morvan症候群は,Isaacs症候群の症状に,大脳辺縁系の異常(不眠,記銘力障害など)と自律神経障害(不整脈,便秘など)をともなう.圧倒的に男性に多く,「足が焼けつくような」疼痛をみとめる.VGKC複合体の構成分子であるLGI-1抗体陽性例は,近時記憶障害やてんかんなど辺縁系症状を呈し,高頻度にSIADHを...
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Published in | 臨床神経学 Vol. 53; no. 11; pp. 1067 - 1070 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.53.1067 |
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Summary: | Isaacs症候群では,血液神経関門が脆弱な神経終末や神経根で自己抗体によりVGKCの機能異常が惹起され,過剰興奮がおこる.有痛性筋けいれん,ミオキミア,ニューロミオトニアなどの運動症状に加え,complex regional pain syndrome様の激しい痛みで発症する例もある.Morvan症候群は,Isaacs症候群の症状に,大脳辺縁系の異常(不眠,記銘力障害など)と自律神経障害(不整脈,便秘など)をともなう.圧倒的に男性に多く,「足が焼けつくような」疼痛をみとめる.VGKC複合体の構成分子であるLGI-1抗体陽性例は,近時記憶障害やてんかんなど辺縁系症状を呈し,高頻度にSIADHを合併する. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.53.1067 |