認知症と神経心理学

認知症では認知機能の異常が主たる症状であり,その評価や解釈が神経心理学そのものである.心理士がおこなう神経心理検査を指すのではなく,神経学的検査の一環として神経心理学がある.その役割として,局所徴候の診断はもちろん,認知機能の障害パターンから鑑別診断に供すること,能力障害を推測し,生活上の問題を予測すること,重症度,進行速度,治療に対する反応を計測することなどが挙げられる.変性疾患による失語症,行動神経学的徴候,視知覚障害と幻視を例として挙げて,認知症を対象にした神経心理学を拡張的神経心理学と呼んで論じた....

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Published in臨床神経学 Vol. 54; no. 12; pp. 1095 - 1097
Main Author 森, 悦朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2014
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Summary:認知症では認知機能の異常が主たる症状であり,その評価や解釈が神経心理学そのものである.心理士がおこなう神経心理検査を指すのではなく,神経学的検査の一環として神経心理学がある.その役割として,局所徴候の診断はもちろん,認知機能の障害パターンから鑑別診断に供すること,能力障害を推測し,生活上の問題を予測すること,重症度,進行速度,治療に対する反応を計測することなどが挙げられる.変性疾患による失語症,行動神経学的徴候,視知覚障害と幻視を例として挙げて,認知症を対象にした神経心理学を拡張的神経心理学と呼んで論じた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.54.1095