III.大腸癌術前大腸ステントのup-to-date
本邦で2012年に保険収載された大腸ステントは,閉塞性大腸癌治療に大きなparadigm shiftを起している.術前減圧目的の大腸ステント留置(bridge to surgery:BTS)は,良好な短期成績が報告されている一方,長期予後への懸念から,欧州消化器内視鏡学会(ESGE)のガイドラインにおいて否定的な推奨であった.しかし,近年,長期予後の安全性を示唆する報告が多数出され,2020年のupdate版では一転,推奨する形となった.今後,さらに広がることが予想されるBTS治療戦略であるが,長期予後のみならず,手術までの至適待機期間,ステントの種類,右側結腸癌での効果,経肛門的減圧管との比...
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 73; no. 10; pp. 410 - 416 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2020
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Subjects | |
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ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.73.410 |
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Summary: | 本邦で2012年に保険収載された大腸ステントは,閉塞性大腸癌治療に大きなparadigm shiftを起している.術前減圧目的の大腸ステント留置(bridge to surgery:BTS)は,良好な短期成績が報告されている一方,長期予後への懸念から,欧州消化器内視鏡学会(ESGE)のガイドラインにおいて否定的な推奨であった.しかし,近年,長期予後の安全性を示唆する報告が多数出され,2020年のupdate版では一転,推奨する形となった.今後,さらに広がることが予想されるBTS治療戦略であるが,長期予後のみならず,手術までの至適待機期間,ステントの種類,右側結腸癌での効果,経肛門的減圧管との比較など,解決すべきclinical questionは多い.本稿では,BTSのこれまでの治療成績を概説し,今後の展望も含めて述べる. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.73.410 |