Ip型形態をとる胆嚢小隆起性病変の超音波ドプラ法による血流解析

径6~20mmのIp型胆嚢小隆起性病変の超音波ドプラ法(UD)による質的診断を目的に,274例(101例に内視鏡的UD(EUD)施行)を対象に血流シグナルの解析を行った.血流検出率は,12.4%(34/274).UD単独4.4%,EUD単独28.7%で,EUDにより血流検出能は向上した.病理診断の確定した癌1例,腺腫2例,上皮過形成・線維化主体の非腫瘍性ポリープ4例では全例に面流シグナルを認めたが,典型的コレステロールポリープでは22例中7例に認めるのみであった.流速6cm/s以上検出7例中2例(28 .6%)が癌・腺腫,拍動性シグナル検出7例中1例(14.3%)が癌で,流速6cm/s以上ある...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in胆道 Vol. 10; no. 5; pp. 379 - 389
Main Authors 二村, 貢, 山中, 桓夫, 大澤, 博之, 太田, 雅弘, 山田, 茂樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1996
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:径6~20mmのIp型胆嚢小隆起性病変の超音波ドプラ法(UD)による質的診断を目的に,274例(101例に内視鏡的UD(EUD)施行)を対象に血流シグナルの解析を行った.血流検出率は,12.4%(34/274).UD単独4.4%,EUD単独28.7%で,EUDにより血流検出能は向上した.病理診断の確定した癌1例,腺腫2例,上皮過形成・線維化主体の非腫瘍性ポリープ4例では全例に面流シグナルを認めたが,典型的コレステロールポリープでは22例中7例に認めるのみであった.流速6cm/s以上検出7例中2例(28 .6%)が癌・腺腫,拍動性シグナル検出7例中1例(14.3%)が癌で,流速6cm/s以上あるいは拍動性シグナルを検出した場合には癌や腺腫の可能性を考慮して,切除術や厳重な経過観察をすべきと考えられた.また癌では,良性疾患に比較してresistance indexやacceleration time indexが高値である傾向が示され,両指標が胆嚢小隆起性病変の質的診断に有用である可能性が示唆された.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.10.5_379