成人にみられた先天性総胆管拡張症に合併した胆嚢良性腫瘍の1例

40歳女性においてみられた先天性総胆管拡張症に合併した胆嚢ポリープの1例を報告する.患者は心窩部不快感, 右季肋部痛, 微熱を主訴に来院し尿中アミラーゼが軽度上昇あり精査のため入院した.腹部超音波検査, ERCPにて膵胆管合流異常を伴った総胆管拡張症と胆嚢体上部に胆嚢壁と連続し, 体位変換にても常に同位置に存在する腫瘤陰影を認め外科転科した.胆嚢内の腫瘤は組織学的に炎症性ポリープの所見を呈しており, 悪性像はなく, 総胆管拡張部も組織学的に異常は認められなかった.胆石と胆嚢腫瘤との鑑別には腹部超音波検査が有用であった.術後主訴は消失した....

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 43; no. 1; pp. 107 - 112
Main Authors 奥村, 邦彦, 清水, 盈行, 幡谷, 潔, 新井, 一成, 斉藤, 博文, 石井, 淳一, 八田, 善夫, 善山, 鉱, 片岡, 徹, 横山, 新一郎, 高橋, 正一郎, 小笠原, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 01.02.1983
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ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma1939.43.107

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Summary:40歳女性においてみられた先天性総胆管拡張症に合併した胆嚢ポリープの1例を報告する.患者は心窩部不快感, 右季肋部痛, 微熱を主訴に来院し尿中アミラーゼが軽度上昇あり精査のため入院した.腹部超音波検査, ERCPにて膵胆管合流異常を伴った総胆管拡張症と胆嚢体上部に胆嚢壁と連続し, 体位変換にても常に同位置に存在する腫瘤陰影を認め外科転科した.胆嚢内の腫瘤は組織学的に炎症性ポリープの所見を呈しており, 悪性像はなく, 総胆管拡張部も組織学的に異常は認められなかった.胆石と胆嚢腫瘤との鑑別には腹部超音波検査が有用であった.術後主訴は消失した.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.43.107