副甲状腺疾患と代謝性骨疾患

頻度の高い原発性副甲状腺機能亢進症では高齢患者が増加しており,非手術例に対しては単に経過観察とするのではなく,内科的治療を考慮する必要が高まっている。主な内科的治療はビスホスホネート薬による骨粗鬆症治療とシナカルセトによる高Ca血症治療である。副甲状腺ホルモン分泌不全性副甲状腺機能低下症では,従来の活性型ビタミンD薬に加えて,より生理的な治療法である遺伝子組換えヒト副甲状腺ホルモンの自己注射療法が検討されている。甲状腺癌術後のTSH抑制療法では,軽度の甲状腺ホルモン過剰により骨粗鬆症が進展する。そのため,骨折リスクが上昇することが明らかにされており,長期的な視点から,骨粗鬆症対策が重要な課題と...

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Published in日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 35; no. 4; pp. 263 - 267
Main Author 竹内, 靖博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会 2018
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ISSN2186-9545
DOI10.11226/jaesjsts.35.4_263

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Summary:頻度の高い原発性副甲状腺機能亢進症では高齢患者が増加しており,非手術例に対しては単に経過観察とするのではなく,内科的治療を考慮する必要が高まっている。主な内科的治療はビスホスホネート薬による骨粗鬆症治療とシナカルセトによる高Ca血症治療である。副甲状腺ホルモン分泌不全性副甲状腺機能低下症では,従来の活性型ビタミンD薬に加えて,より生理的な治療法である遺伝子組換えヒト副甲状腺ホルモンの自己注射療法が検討されている。甲状腺癌術後のTSH抑制療法では,軽度の甲状腺ホルモン過剰により骨粗鬆症が進展する。そのため,骨折リスクが上昇することが明らかにされており,長期的な視点から,骨粗鬆症対策が重要な課題となっている。
ISSN:2186-9545
DOI:10.11226/jaesjsts.35.4_263