当帰四逆加呉茱萸生姜湯が奏効した三叉神経痛の二症例

筆者らは漢方方剤・当帰四逆加呉茱萸生姜湯が奏効した三叉神経痛の二症例を経験した。第一例は70歳の女性で,右側顔面の激しい疼痛を訴えた。カルバマゼピンが投与され痛みは軽減したが,副作用と考えられる運動失調が現れたため持続的な服薬は出来なかった。そこで当帰四逆加呉茱萸生姜湯の投与を試みたものである。この方剤は奏効し,カルバマゼピン無しで痛みは制御された。第二例は69歳の女性で右側顔面の部分的疼痛を訴えた。この症例に於いては当帰四逆加呉茱萸生姜湯単独で効果が得られた。...

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Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 72; no. 2; pp. 144 - 147
Main Authors 寺澤, 捷年, 小林, 亨, 隅越, 誠, 辻, 正徳, 地野, 充時
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 2021
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Summary:筆者らは漢方方剤・当帰四逆加呉茱萸生姜湯が奏効した三叉神経痛の二症例を経験した。第一例は70歳の女性で,右側顔面の激しい疼痛を訴えた。カルバマゼピンが投与され痛みは軽減したが,副作用と考えられる運動失調が現れたため持続的な服薬は出来なかった。そこで当帰四逆加呉茱萸生姜湯の投与を試みたものである。この方剤は奏効し,カルバマゼピン無しで痛みは制御された。第二例は69歳の女性で右側顔面の部分的疼痛を訴えた。この症例に於いては当帰四逆加呉茱萸生姜湯単独で効果が得られた。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.72.144