経験を積んだ訪問看護師が訪問介護員とのチームケアを実感していくプロセス――「タイムリーなエピソード交換」により高まるチームケアの実感とやりがい

経験を積んだ訪問看護師が訪問介護員とどのように関わりチームケアを実感しているのか、そのプロセスを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて明らかにした。訪問看護師は訪問介護員の人となりや実践への理解を深めていくなかで「療養者にとってのベストを一緒に目指せる」関係を築き、「その療養者」の生活を支えるために「私たち」は何ができるのかという視点で、ケアの範囲や内容を更新していた。プロセスの進展に大きな役割を果たしている概念は「タイムリーなエピソード交換」である。「エピソード」の交換は、療養者の心身の状態の多角的なアセスメントを可能にする。さらに、療養者の生活を支えるために必要となる客観的な情...

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Published in保健医療社会学論集 Vol. 34; no. 2; pp. 28 - 38
Main Author 濱谷, 雅子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健医療社会学会 31.01.2024
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ISSN1343-0203
2189-8642
DOI10.18918/jshms.34.2_28

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Summary:経験を積んだ訪問看護師が訪問介護員とどのように関わりチームケアを実感しているのか、そのプロセスを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて明らかにした。訪問看護師は訪問介護員の人となりや実践への理解を深めていくなかで「療養者にとってのベストを一緒に目指せる」関係を築き、「その療養者」の生活を支えるために「私たち」は何ができるのかという視点で、ケアの範囲や内容を更新していた。プロセスの進展に大きな役割を果たしている概念は「タイムリーなエピソード交換」である。「エピソード」の交換は、療養者の心身の状態の多角的なアセスメントを可能にする。さらに、療養者の生活を支えるために必要となる客観的な情報だけでなく、訪問看護師や訪問介護員が他職種に伝えたいと思ったエピソードをタイムリーに交換することは、チームの一員としてケアを実践しているという実感とやりがいに繋がり、チームケアを促進させると考える。
ISSN:1343-0203
2189-8642
DOI:10.18918/jshms.34.2_28