多剤耐性緑膿菌検出の危険因子の検討

2001~2005年に多剤耐性緑膿菌 (MDRP) が検出された当院入院患者について, 属性となる危険因子を検討するため, 同時期に入院してイミペネム・アミカシン・シプロフロキサシンに感性の緑膿菌を検出した患者を対照とした症例対照研究を行った. 調査期間中の緑膿菌検出数は2,509株 (患者数1,712人) で, うちMDRPを検出した患者は44例 (2.57%) であった. 検討した危険因子16項目のうち, オッズ比 (OR) が1以上で有意 (χ2検定) となったものはカルバペネム薬使用歴, 経鼻胃管・胃瘻チューブ, MRSA陽性, アミノグリコシド薬使用歴, 検出までの入院期間30日以上...

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Published in環境感染 Vol. 22; no. 3; pp. 170 - 174
Main Authors 戸島, 洋一, 遠藤, 洋子, 松田, 俊之, 河井, 良智, 服部, 万里子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本環境感染学会 2007
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Summary:2001~2005年に多剤耐性緑膿菌 (MDRP) が検出された当院入院患者について, 属性となる危険因子を検討するため, 同時期に入院してイミペネム・アミカシン・シプロフロキサシンに感性の緑膿菌を検出した患者を対照とした症例対照研究を行った. 調査期間中の緑膿菌検出数は2,509株 (患者数1,712人) で, うちMDRPを検出した患者は44例 (2.57%) であった. 検討した危険因子16項目のうち, オッズ比 (OR) が1以上で有意 (χ2検定) となったものはカルバペネム薬使用歴, 経鼻胃管・胃瘻チューブ, MRSA陽性, アミノグリコシド薬使用歴, 検出までの入院期間30日以上, 気管切開・挿管, 中心静脈カテーテル留置, 尿路カテーテル留置の8項目であった. さらにロジスティック解析を行ったところカルバペネム系薬使用歴 (OR: 7.94, 95%信頼区間2.60-24.3, p<0.001) と経鼻胃管・胃瘻チューブ (OR: 4.51, 95%信頼区間1.35-15.1, p=0.014) の2因子が有意となったMMDRP感染対策として, 抗菌薬ことにカルバペネム系薬の適正使用, 経鼻胃管・胃瘻チューブ, 栄養剤注入に用いる器具等の衛生管理が重要であると考えられた.
ISSN:0918-3337
1884-2429
DOI:10.11550/jsei1986.22.170