抗菌薬適正使用による緑膿菌耐性化予防に向けたICTの取り組み

2004年4月より緑膿菌の耐性化を予防すべく, ICT (Infection Control Team) が院内での抗菌薬の使用状況や菌の抗菌薬感受性状況を定期的な回診により調査し, その結果をタイムリーに担当医に報告することで抗菌薬の適正使用に取り組んだ. その結果, 抗緑膿菌薬のimipenem/cilastatinの平均使用期間は使用割合の変動に関係せず, 年次ごとに低下し, 2003年度では11.2日であったものが, 2005年度では8.2日まで短縮した. また, 院内緑膿菌のimipenemに対する感性率は, 使用本数に影響されず年次ごとに上昇し, 2003年度では平均65M2% (...

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Published in環境感染 Vol. 22; no. 3; pp. 181 - 185
Main Authors 佐多, 照正, 岩下, 佳敬, 石田, 和久, 長谷川, 直美, 鳴海, 由希子, 末田, 英志郎, 古賀, 淳子, 常磐, 光弘, 西園, 敏幸, 立石, 繁宜
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本環境感染学会 2007
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Summary:2004年4月より緑膿菌の耐性化を予防すべく, ICT (Infection Control Team) が院内での抗菌薬の使用状況や菌の抗菌薬感受性状況を定期的な回診により調査し, その結果をタイムリーに担当医に報告することで抗菌薬の適正使用に取り組んだ. その結果, 抗緑膿菌薬のimipenem/cilastatinの平均使用期間は使用割合の変動に関係せず, 年次ごとに低下し, 2003年度では11.2日であったものが, 2005年度では8.2日まで短縮した. また, 院内緑膿菌のimipenemに対する感性率は, 使用本数に影響されず年次ごとに上昇し, 2003年度では平均65M2% (75株/115株) であったものが, 2005年度で平均86.9% (113株/130株) を示した. また, 他の抗緑膿菌薬においても比較的高い感性率を維持できた. 今回の結果から, ICTによる回診等を通じた抗菌薬の適正使用についての積極的な介入は耐性菌出現のコントロールにつながることが考えられた.
ISSN:0918-3337
1884-2429
DOI:10.11550/jsei1986.22.181