民間総合病院での勤務と子育ての経験

外科学会では2008年5月にはじめて女性医師支援に関する特別セッションが企画され,東京女子医科大学の育児支援について報告した。その後も小1の壁,家族の介護などいくつもの困難を経た現在,民間総合病院で乳腺内分泌外科部長として年間約120例の手術を行っている。当初重責で子育てとの両立は困難ではないかと考えていた部長という立場は,スケジュールや仕事量を自ら采配できるという大きなメリットがあり,むしろ子育てにはプラスに働いた。子育て中の女性外科医としての自らの歩みを振り返ってみると,緊急対応や長時間勤務の多い外科の労働環境に,子の保育環境を無理に合わせてきたことがわかる。これからは長時間労働そのものを...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 35; no. 2; pp. 112 - 115
Main Authors 杉浦, 良子, 児玉, ひとみ, 中村, 靖, 柳田, 充郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会 2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2186-9545
DOI10.11226/jaesjsts.35.2_112

Cover

Loading…
More Information
Summary:外科学会では2008年5月にはじめて女性医師支援に関する特別セッションが企画され,東京女子医科大学の育児支援について報告した。その後も小1の壁,家族の介護などいくつもの困難を経た現在,民間総合病院で乳腺内分泌外科部長として年間約120例の手術を行っている。当初重責で子育てとの両立は困難ではないかと考えていた部長という立場は,スケジュールや仕事量を自ら采配できるという大きなメリットがあり,むしろ子育てにはプラスに働いた。子育て中の女性外科医としての自らの歩みを振り返ってみると,緊急対応や長時間勤務の多い外科の労働環境に,子の保育環境を無理に合わせてきたことがわかる。これからは長時間労働そのものを改善する大きな変革が必要であり,その流れの中で全ての子育て中の女性医師が無理なく外科医を続けられる環境を作っていきたい。
ISSN:2186-9545
DOI:10.11226/jaesjsts.35.2_112