暑熱環境下で防具を装着して運動をするアスリートに対する実践的な身体冷却方略の検証 ラクロスに着目して

本研究では,暑熱環境下での防具を装着する男子ラクロスの試合を想定した間欠的自転車漕ぎ運動時における模擬ハーフタイム中の FANwet(濡れた皮膚に送風),アイススラリー摂取( ICE),および FANwet+ ICEの3種類の身体冷却方略が,その後の体温や主観的指標に及ぼす影響を検証した.成人男性10名を対象に,10分間の仮想ハーフタイム( HT)中に以下の 4試行をランダムな順番で実施した: FANwet条件, ICE条件, FANwet+ ICE(MIX条件),冷飲料摂取( CON条件). FANwet条件および MIX条件において, HT以降の直腸温上昇の低下,皮膚温,温熱感覚,熱快適性...

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Published inデサントスポーツ科学 Vol. 43; pp. 128 - 138
Main Authors 近藤, 妃畝, 刑部, 純平, 松本, 孝朗, 梅村, 義久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団 20.06.2022
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ISSN0285-5739
2758-4429
DOI10.57488/descente.43.0_128

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Summary:本研究では,暑熱環境下での防具を装着する男子ラクロスの試合を想定した間欠的自転車漕ぎ運動時における模擬ハーフタイム中の FANwet(濡れた皮膚に送風),アイススラリー摂取( ICE),および FANwet+ ICEの3種類の身体冷却方略が,その後の体温や主観的指標に及ぼす影響を検証した.成人男性10名を対象に,10分間の仮想ハーフタイム( HT)中に以下の 4試行をランダムな順番で実施した: FANwet条件, ICE条件, FANwet+ ICE(MIX条件),冷飲料摂取( CON条件). FANwet条件および MIX条件において, HT以降の直腸温上昇の低下,皮膚温,温熱感覚,熱快適性,主観的運動強度の改善が認められた.しかし, MIX条件と FANwet条件の間に差はなかった.これらの結果から, FANwetによる身体冷却方略は,暑熱環境下における男子ラクロス試合時の有効な暑さ対策となる可能性が示唆された.しかしながら,アイススラリー摂取による身体冷却効果,および FANwetとアイススラリー摂取を組み合わせることによる付加的な効果は認められなかった.
ISSN:0285-5739
2758-4429
DOI:10.57488/descente.43.0_128