温冷交代刺激が筋疲労と自律神経活動に及ぼす影響

本研究は筋疲労の改善に効果的な温冷交代刺激プロトコルを検証するとともに,筋組織血流動態と自律神経活動へ及ぼす影響を検証することを目的とした.対象は健常成人男性とし,タイピング課題により僧帽筋に疲労を生じさせた上でウェアラブルサーモデバイスを用いた3つの温冷交代刺激条件と刺激条件の計4条件の介入を実施した.評価項目は筋硬度と主観的症状とした.さらに,これらの項目に関して改善が得られた介入条件における筋組織血流動態ならび心拍変動解析による自律神経活動を評価した.その結果,温刺激3分,冷刺激1分のプロトコルにおいて筋硬度と主観的症状の改善を認めた.また,同プロトコルの実施により,僧帽筋組織中の酸素化...

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Published inデサントスポーツ科学 Vol. 43; pp. 178 - 187
Main Authors 名倉, 武雄, 中島, 大輔, 澤田, 智紀, 大川原, 洋樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団 20.06.2022
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ISSN0285-5739
2758-4429
DOI10.57488/descente.43.0_178

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Summary:本研究は筋疲労の改善に効果的な温冷交代刺激プロトコルを検証するとともに,筋組織血流動態と自律神経活動へ及ぼす影響を検証することを目的とした.対象は健常成人男性とし,タイピング課題により僧帽筋に疲労を生じさせた上でウェアラブルサーモデバイスを用いた3つの温冷交代刺激条件と刺激条件の計4条件の介入を実施した.評価項目は筋硬度と主観的症状とした.さらに,これらの項目に関して改善が得られた介入条件における筋組織血流動態ならび心拍変動解析による自律神経活動を評価した.その結果,温刺激3分,冷刺激1分のプロトコルにおいて筋硬度と主観的症状の改善を認めた.また,同プロトコルの実施により,僧帽筋組織中の酸素化ヘモグロビン濃度変化量,総ヘモグロビン濃度変化量が上昇し,交感神経活動の指標である低周波成分 /高周波成分比( LF/HF)の増大を認めた.本研究により,局所的な表在性の温冷交代刺激が対象とする筋組織ならびに自律神経活動に影響を及ぼすことが明らかとなった.
ISSN:0285-5739
2758-4429
DOI:10.57488/descente.43.0_178