末梢静脈内留置カテーテルの菌検出状況からみたヘパリンロック管理の検討

本研究では看護婦・士のヘパリンロック管理の側面から, 96時間以上留置されたヘパリンロツクカテーテル42例の菌検出結果と1) 留置期間2) 静脈炎3) 留置中の管理との関連について検討した.42例の対象者の平均留置日数は5.28日間 (SD±2.29) であった.静脈炎について, Makiの定義16) する2つ以上の症状のあるものは1例 (2.4%), 1症状だけあったのは3例 (7.1%) でそれら4例の平均留置日数は, 4.3日間であった. 菌検出は3例 (7.1%) で, その平均留置日数は5.3日であった. 留置期間が4日間と5日間の2例の検体にはBacillus subtilis,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in環境感染 Vol. 16; no. 2; pp. 157 - 162
Main Authors 片岡, 陳正, 田中, 初美, 丹野, 恵一, 山本, 直美, 吉永, 喜久恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本環境感染学会 2001
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0918-3337
1884-2429
DOI10.11550/jsei1986.16.157

Cover

More Information
Summary:本研究では看護婦・士のヘパリンロック管理の側面から, 96時間以上留置されたヘパリンロツクカテーテル42例の菌検出結果と1) 留置期間2) 静脈炎3) 留置中の管理との関連について検討した.42例の対象者の平均留置日数は5.28日間 (SD±2.29) であった.静脈炎について, Makiの定義16) する2つ以上の症状のあるものは1例 (2.4%), 1症状だけあったのは3例 (7.1%) でそれら4例の平均留置日数は, 4.3日間であった. 菌検出は3例 (7.1%) で, その平均留置日数は5.3日であった. 留置期間が4日間と5日間の2例の検体にはBacillus subtilis, 7日間の1検体にはStaphylococcus epideymidisが検出された. 刺入部位の管理のうち, 絆創膏の内側と外側の両側に湿潤がみられたのが6例 (14%) でうち2例に菌検出 (Bacillus subtilis) がみられた.宿主ファクターについては白血球値2600個/mm3のものに菌検出 (Bacillus subtilis) がみられ, それは化学療法中の患者であった. 静脈炎の徴候のあった4例のうち1例 (25%) に菌検出 (Bacillus subtilis) がみられていた.本研究の対象となった末梢静脈内のヘパリンロックカテーテルからの菌検出は, 長期化しているだけが理由でなく, それに伴う静脈炎や刺入部の管理, 宿主のファクターが関連して起こっていたと考えられた.このことから, 刺入部位の確実な観察管理の重要性, 静脈炎や宿主フクターがある場合には長期留置を避けるなどの対策をとる必要があることが示唆された.
ISSN:0918-3337
1884-2429
DOI:10.11550/jsei1986.16.157