予防的外側区域リンパ節郭清を省略した甲状腺乳頭癌症例の検討

目的:予防的外側区域リンパ節郭清を省略した甲状腺乳頭癌症例におけるリンパ節再発のリスク因子を明らかにする。対象:2003年11月から2013年4月までに当科で初回手術を施行した甲状腺乳頭癌症例のうち,外側区域リンパ節郭清を施行しなかった195例。結果:11例で外側区域リンパ節再発を認めた。再発のリスク因子は,単変量解析では原発巣の腫瘍径(3cmを越える),腺外浸潤(Ex2),病理学的リンパ節転移の数(5個以上)であり,多変量解析では腺外浸潤と病理学的リンパ節転移の数であった。外側区域リンパ節再発例11例中8例で再手術を行った。最終的にリンパ節再発が残存した症例は手術を施行しなかった3例であった...

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Published in日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 34; no. 2; pp. 123 - 126
Main Authors 渡邉, 佳紀, 吉田, 尚生, 田中, 信三, 山田, 光一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会 2017
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ISSN2186-9545
DOI10.11226/jaesjsts.34.2_123

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Summary:目的:予防的外側区域リンパ節郭清を省略した甲状腺乳頭癌症例におけるリンパ節再発のリスク因子を明らかにする。対象:2003年11月から2013年4月までに当科で初回手術を施行した甲状腺乳頭癌症例のうち,外側区域リンパ節郭清を施行しなかった195例。結果:11例で外側区域リンパ節再発を認めた。再発のリスク因子は,単変量解析では原発巣の腫瘍径(3cmを越える),腺外浸潤(Ex2),病理学的リンパ節転移の数(5個以上)であり,多変量解析では腺外浸潤と病理学的リンパ節転移の数であった。外側区域リンパ節再発例11例中8例で再手術を行った。最終的にリンパ節再発が残存した症例は手術を施行しなかった3例であったが,頸部リンパ節再発の制御が困難な症例ではなかった。結論:予防的外側区域リンパ節郭清を省略した甲状腺乳頭癌症例における再発のリスク因子として,腺外浸潤と病理学的リンパ節転移の数が挙げられた。
ISSN:2186-9545
DOI:10.11226/jaesjsts.34.2_123