BESS:Biportal Endoscopic Spine Surgeryによる内視鏡下へルニア摘出手術
はじめに:Biportal Endoscopic Spine Surgery(BESS)による完全内視鏡下ヘルニア摘出術の有用性を顕微鏡下手術と比較検討する.対象と方法:対象はヘルニア摘出の89例で,BESS 49例(以下B群)と顕微鏡下摘出術40例(以下M群)である.手術時間,出血量,在院日数,術翌日と退院時の疼痛NRS,術後6ヶ月での下肢痛としびれの改善率と再発率を調査した.結果:手術時間はB群で77分,M群で60分とB群で有意に時間を要した.出血量はB群7.9 g,M群9.9 g,在院日数はB群5.3日,M群5.6日で有意差がなかった.術翌日疼痛NRSはB群3.7,M群3.6と差がなかっ...
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Published in | Journal of Spine Research Vol. 12; no. 8; pp. 1074 - 1080 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
20.08.2021
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Subjects | |
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ISSN | 1884-7137 2435-1563 |
DOI | 10.34371/jspineres.2021-0810 |
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Summary: | はじめに:Biportal Endoscopic Spine Surgery(BESS)による完全内視鏡下ヘルニア摘出術の有用性を顕微鏡下手術と比較検討する.対象と方法:対象はヘルニア摘出の89例で,BESS 49例(以下B群)と顕微鏡下摘出術40例(以下M群)である.手術時間,出血量,在院日数,術翌日と退院時の疼痛NRS,術後6ヶ月での下肢痛としびれの改善率と再発率を調査した.結果:手術時間はB群で77分,M群で60分とB群で有意に時間を要した.出血量はB群7.9 g,M群9.9 g,在院日数はB群5.3日,M群5.6日で有意差がなかった.術翌日疼痛NRSはB群3.7,M群3.6と差がなかったが,退院時はB群1.2,M群1.7とB群で痛みが少ない傾向にあった.術後6ヶ月での下肢痛の改善率はB群84%,M群80%,下肢しびれの改善率はB群82%,M群75%と有意差はなかった.再発率はB群10%(5/49例),M群10%(4/40例)で有意差がなかった.結語:BESSは2つのポータルを使用し視軸と作業軸が別である点が従来の脊椎内視鏡手術と異なり,視野の確保が容易で作業の自由度も高いという利点がある.ポータルはそれぞれ5~7 mm程度の創で侵襲が小さい.当院では2019年2月より腰椎椎間板ヘルニアに対しての治療をBESSに変更したが,手術時間以外は顕微鏡下手術と同等の手術であった. |
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ISSN: | 1884-7137 2435-1563 |
DOI: | 10.34371/jspineres.2021-0810 |