Cr-Mo肌焼鋼の焼準及び恒温変態について (第2報)

第1報ではCr-Mo肌焼鋼の焼準の際の冷却の速さと,組織並びに硬さとの関係を,簡単な基礎実験と現場製品の調査から大体の様子を知ることが出来た.その結果は焼準後の硬さは一応現在希望している範囲内に入るのであるが,顕微鏡組織は組織成分とその量的割合とにかなりの幅があることが判った.そして焼準処理後の組織を,フェライト地にパーライトの島が比較的細かく且つ均一に分布し,これら以外のベーナイト状の組織は全く存在しないものとするには,現場作業としては余り容易なことではないことを示した.例えば相当な太丸材でも,唯自然空冷させただけでは本鋼のように中程度の焼入性をもつものはどうしても針状の組織が混在し易いから...

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Published in電気製鋼 Vol. 28; no. 2; pp. 95 - 100
Main Authors 保田, 正文, 山本, 昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 大同特殊鋼株式会社 1957
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Summary:第1報ではCr-Mo肌焼鋼の焼準の際の冷却の速さと,組織並びに硬さとの関係を,簡単な基礎実験と現場製品の調査から大体の様子を知ることが出来た.その結果は焼準後の硬さは一応現在希望している範囲内に入るのであるが,顕微鏡組織は組織成分とその量的割合とにかなりの幅があることが判った.そして焼準処理後の組織を,フェライト地にパーライトの島が比較的細かく且つ均一に分布し,これら以外のベーナイト状の組織は全く存在しないものとするには,現場作業としては余り容易なことではないことを示した.例えば相当な太丸材でも,唯自然空冷させただけでは本鋼のように中程度の焼入性をもつものはどうしても針状の組織が混在し易いからである. 以上の問題を解決する為に,更に一般的な基礎資料を必要とするので,其後引続いて本鋼の恒温変態曲線図並びに連続冷却変態曲線図を求めることにした.今回はこの測定結果を報告する.
ISSN:0011-8389
1883-4558
DOI:10.4262/denkiseiko.28.95