5-5 気管支鏡の感染対策と予防 : 気管支鏡挿入経路による分離菌の検討(<特集>第29回日本呼吸器内視鏡学会総会)
背景と目的.気管支鏡検査は重大事故の発生率という観点からは安全な検査であるといえるが,気管支鏡検査後に発熱や肺炎を起こす場合も少なくない.そこで今回,気管支鏡の挿入経路で気管支鏡に付着する細菌や合併症の頻度に相違があるか検討した.方法.2005年1月から3月の間に当科で気管支鏡を行った患者のうち21名において気管支鏡検査直前の鼻腔・咽頭培養検査を行い,気管支鏡検査終了後の気管支鏡の細菌培養を行った.21名のうち11名は経鼻より,10名は経口より気管支鏡を挿入した.結果.鼻腔からは黄色ブドウ球菌が検出された(5例)が,咽頭からは検出されなかった.経鼻挿入の場合は鼻腔と咽頭の細菌が気管支鏡に付着し...
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Published in | 気管支学 Vol. 28; no. 8; pp. 628 - 632 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2006
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Summary: | 背景と目的.気管支鏡検査は重大事故の発生率という観点からは安全な検査であるといえるが,気管支鏡検査後に発熱や肺炎を起こす場合も少なくない.そこで今回,気管支鏡の挿入経路で気管支鏡に付着する細菌や合併症の頻度に相違があるか検討した.方法.2005年1月から3月の間に当科で気管支鏡を行った患者のうち21名において気管支鏡検査直前の鼻腔・咽頭培養検査を行い,気管支鏡検査終了後の気管支鏡の細菌培養を行った.21名のうち11名は経鼻より,10名は経口より気管支鏡を挿入した.結果.鼻腔からは黄色ブドウ球菌が検出された(5例)が,咽頭からは検出されなかった.経鼻挿入の場合は鼻腔と咽頭の細菌が気管支鏡に付着した.経口挿入ではおもに口腔内常在菌が付着した.鼻腔より黄色ブドウ球菌が検出され,経鼻挿入で気管支鏡検査を行った患者3名の全例で,検査終了後の気管支鏡から黄色ブドウ球菌が検出された.考察.気管支鏡は鼻腔・咽頭の細菌を下気道に落下させる可能性があり,患者の病態に合わせた挿入法が必要と思われる.(気管支学.2006;28:628-632) |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.28.8_628 |