下顎および手指の音刺激に対応するタッピング運動の解析: 無歯顎者と有歯顎者の比較
「I. 緒言」顎口腔系の運動能力は歯の欠損や義歯の状態などに. よって影響されるだけではなく, 全身的な運動能力とも関連する. 身体の運動障害の評価法として. “机を叩く”など, 一定動作の繰り返しのリズムから判定する方法(diadochokinesis)があり, ハンディキャップ児や障害者の全身的な機能評価に用いられる. これを口腔運動にも適用し運動障害性構音障害患者の発語機能を調べる検査法としてoral diadochokinesisが行われているが, 両者により四肢と口腔の機能を関連づけられると考えられる1, 2). しかし, 顎口腔系とそれ以外の運動能力との関連についての報告は少ない....
Saved in:
Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 42; no. 1; pp. 20 - 29 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本補綴歯科学会
1998
日本補綴歯科学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0389-5386 1883-177X |
DOI | 10.2186/jjps.42.20 |
Cover
Summary: | 「I. 緒言」顎口腔系の運動能力は歯の欠損や義歯の状態などに. よって影響されるだけではなく, 全身的な運動能力とも関連する. 身体の運動障害の評価法として. “机を叩く”など, 一定動作の繰り返しのリズムから判定する方法(diadochokinesis)があり, ハンディキャップ児や障害者の全身的な機能評価に用いられる. これを口腔運動にも適用し運動障害性構音障害患者の発語機能を調べる検査法としてoral diadochokinesisが行われているが, 両者により四肢と口腔の機能を関連づけられると考えられる1, 2). しかし, 顎口腔系とそれ以外の運動能力との関連についての報告は少ない. われわれは, 身体の運動の巧緻性を評価するためには単に時間的な要素のみならず, 運動の範囲や経路のスムー1“さを検討することが有意義であると考え, 前報3)では基礎的データを得るために, 健常有歯顎者について音刺激に応じる下顎タッピングおよび, 全身的運動能力の指標として手指のタッピング運動の定常性と運動軌跡のスムーズさを比較検討した. |
---|---|
ISSN: | 0389-5386 1883-177X |
DOI: | 10.2186/jjps.42.20 |