三次元画像を利用したステレオカラー血管解剖図の作成

X線CT装置による三次元(3D)computed tomography(CT)検査や血管撮影装置のコーンビームCT検査によって得られる血管の3D画像は,診断や治療に広く利用されている.これらの血管の3D画像を利用して,臨床の場で検査に携わるスタッフや患者への説明および学生への血管解剖学の教育支援のためのステレオカラー血管解剖図を作成した.脳血管のように立体的に複雑な走行を示す血管は,単色では識別が困難なため,血管の分岐ごとに色分けすることにより解剖学的識別を容易にした.また,ステレオペア画像を立体視にすることで,立体的な血管走行を見ることができる解剖図にした·これまでの解剖学専門書や血管解剖学...

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Published in日本放射線技術学会雑誌 Vol. 78; no. 1; pp. 62 - 71
Main Authors 勢川, 博雄, 荒木, 伸一, 三木, 章弘, 井手, 康裕, 山崎, 達也, 森, 裕一朗, 大森, 圭悟, 前田, 幸人, 門田, 敏秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本放射線技術学会 20.01.2022
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Summary:X線CT装置による三次元(3D)computed tomography(CT)検査や血管撮影装置のコーンビームCT検査によって得られる血管の3D画像は,診断や治療に広く利用されている.これらの血管の3D画像を利用して,臨床の場で検査に携わるスタッフや患者への説明および学生への血管解剖学の教育支援のためのステレオカラー血管解剖図を作成した.脳血管のように立体的に複雑な走行を示す血管は,単色では識別が困難なため,血管の分岐ごとに色分けすることにより解剖学的識別を容易にした.また,ステレオペア画像を立体視にすることで,立体的な血管走行を見ることができる解剖図にした·これまでの解剖学専門書や血管解剖学図譜では,全身の血管を色分けし,かつステレオ立体視できる全身血管の解剖図はなかったが,このステレオカラー血管解剖図によって,血管の立体的走行の観察,血管解剖学的識別を容易に行うことができるようになった.また,本血管解剖図は,利用する臨床や教育の場での要望に応じて追加改訂できるものとし,データを電子ファイル化し,電子媒体を通して放射線検査の場や在宅においても容易に血管解剖の立体観察ができるツールとした.
ISSN:0369-4305
1881-4883
DOI:10.6009/jjrt.780106