病院にある学校における退院後の教育的支援に関する研究

病院にある学校58校を対象に退院後の児童生徒への教育的支援の状況を調査し、考察を行った。22校に退院後の児童生徒が在籍し、その児童生徒は増加傾向であった。支援の方策は「病院にある学校に通学」が最も行われ、次いで「課題を自宅で自主学習」「前籍校に行って学習」が行われていた。「自宅にて直接支援」を行っているのは3校のみで、場所を病院内に限定せずに在宅訪問教育を行うことが重要となる。間接的支援の「ICT機器の活用」を行っているのは1校のみで、課題として環境・予算が多く挙げられた。しかしICT機器は今後、発展が予想され、間接的支援は「課題を自宅で自主学習」を中心にしながら、ICT機器を整備することが大...

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Published in特殊教育学研究 Vol. 53; no. 4; pp. 241 - 249
Main Authors 土屋, 忠之, 川間, 健之介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本特殊教育学会 2015
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ISSN0387-3374
2186-5132
DOI10.6033/tokkyou.53.241

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Summary:病院にある学校58校を対象に退院後の児童生徒への教育的支援の状況を調査し、考察を行った。22校に退院後の児童生徒が在籍し、その児童生徒は増加傾向であった。支援の方策は「病院にある学校に通学」が最も行われ、次いで「課題を自宅で自主学習」「前籍校に行って学習」が行われていた。「自宅にて直接支援」を行っているのは3校のみで、場所を病院内に限定せずに在宅訪問教育を行うことが重要となる。間接的支援の「ICT機器の活用」を行っているのは1校のみで、課題として環境・予算が多く挙げられた。しかしICT機器は今後、発展が予想され、間接的支援は「課題を自宅で自主学習」を中心にしながら、ICT機器を整備することが大切となる。「前籍校に行って学習」は、試験登校として実施され、交流および共同学習として行うことが大切となる。退院後に、学区外の居住地に戻る児童生徒への教育的支援を行うことは難しく、支援を保障する方策が行われる必要がある。
ISSN:0387-3374
2186-5132
DOI:10.6033/tokkyou.53.241