Aortoduodenal syndromeを呈した 2 症例
【背景】腹部大動脈瘤(AAA)と上腸間膜動脈(SMA)または腹壁との間で十二指腸が壁外性に圧迫され,閉塞に至る症例は比較的稀であるが,このような症例を 2 例経験したので報告する.【症例】症例 1:81歳,男性.2005年11月下旬頃から,頻回の嘔吐を認め,近医受診.2005年12月上旬当科を紹介受診.CTにて右上方に突出するAAA(最大径75mm)とSMAにより十二指腸水平部が壁外性に圧迫され閉塞していることを確認した.症例 2:71歳,男性.2006年 7 月中旬から食後の嘔吐が頻回となり,近医を受診.上腹部に拍動性腫瘤をふれたため,2006年 7 月下旬当科を紹介受診.腹部単純写真ではガ...
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Published in | Japanese Journal of Vascular Surgery Vol. 18; no. 1; pp. 17 - 20 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
2009
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY |
Subjects | |
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ISSN | 0918-6778 1881-767X |
DOI | 10.11401/jsvs.18.17 |
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Summary: | 【背景】腹部大動脈瘤(AAA)と上腸間膜動脈(SMA)または腹壁との間で十二指腸が壁外性に圧迫され,閉塞に至る症例は比較的稀であるが,このような症例を 2 例経験したので報告する.【症例】症例 1:81歳,男性.2005年11月下旬頃から,頻回の嘔吐を認め,近医受診.2005年12月上旬当科を紹介受診.CTにて右上方に突出するAAA(最大径75mm)とSMAにより十二指腸水平部が壁外性に圧迫され閉塞していることを確認した.症例 2:71歳,男性.2006年 7 月中旬から食後の嘔吐が頻回となり,近医を受診.上腹部に拍動性腫瘤をふれたため,2006年 7 月下旬当科を紹介受診.腹部単純写真ではガス像から胃および十二指腸の拡張を認めるのみであった.CTで右上方に突出するAAA(最大径65mm)と腹壁により十二指腸水平部が壁外性に圧迫され閉塞していることを確認した.【結果】2 症例とも最終的に人工血管置換術を施行することで軽快した.【結論】AAAを有する高齢者の上腹部イレウスの 2 例を経験し,適切な治療により治癒することができた. |
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ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
DOI: | 10.11401/jsvs.18.17 |