手術が必要となった腹膜外膀胱破裂の1例

外傷性腹膜外膀胱破裂に対して手術を施行して良好な経過を得た症例を経験した.症例は70歳,女性.自殺目的で自宅の2階から飛び降りて受傷.来院時は意識清明でバイタルサインは安定.造影CTで膀胱壁は途絶し,周囲に造影剤血管外漏出像を認めた.検査後にショックとなり,緊急手術となった.膀胱前壁の8cmの損傷部を修復した.術後経過は良好.術後3週目に膀胱造影を施行し,膀胱壁からの造影剤漏出がないことを確認して膀胱留置カテーテルを抜去.本症例は,骨盤骨折に合併した腹膜外破裂であり,ペッサリーが損傷部拡大の一因となった可能性が考えられた.手術を選択して良好な経過を得られた腹膜外破裂症例であった....

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Published in日本外傷学会雑誌 Vol. 29; no. 3; pp. 368 - 371
Main Authors 山村, 英治, 松田, 潔, 望月, 徹, 菊池, 広子, 石丸, 直樹, 橋詰, 哲広, 遠藤, 広史, 笠井, 華子, 黒川, 顕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 2015
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Summary:外傷性腹膜外膀胱破裂に対して手術を施行して良好な経過を得た症例を経験した.症例は70歳,女性.自殺目的で自宅の2階から飛び降りて受傷.来院時は意識清明でバイタルサインは安定.造影CTで膀胱壁は途絶し,周囲に造影剤血管外漏出像を認めた.検査後にショックとなり,緊急手術となった.膀胱前壁の8cmの損傷部を修復した.術後経過は良好.術後3週目に膀胱造影を施行し,膀胱壁からの造影剤漏出がないことを確認して膀胱留置カテーテルを抜去.本症例は,骨盤骨折に合併した腹膜外破裂であり,ペッサリーが損傷部拡大の一因となった可能性が考えられた.手術を選択して良好な経過を得られた腹膜外破裂症例であった.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.29.368