骨盤・寛骨臼骨折を合併した多発外傷の入院24時間以内治療成績

当院における骨盤輪,寛骨臼骨折を含む多発外傷患者の24時間以内の治療成績を後ろ向きに検討した.当院では2009年以前は循環動態が不安定な骨盤骨折に対し,経動脈的塞栓術(TAE)を優先して行っていた.それ以降はpelvic packingと創外固定をprimary survey中に行うプロトコールに変更した.24時間以内の死亡に係る因子を,患者背景,治療介入と合わせて検討した.2006年1月から2011年12月までに当院に搬送され,骨盤輪,寛骨臼骨折の診断がつき,ISS17以上の118例を対象とし,生存群97例と死亡群21例に分けて検討を行った.二項ロジスティック解析を用いて統計計算を行い,死亡...

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Published inJournal of the Japanese Association for the Surgery of Trauma Vol. 29; no. 3; pp. 341 - 347
Main Authors 入船, 秀仁, 丹野, 克俊, 加藤, 航平, 片山, 洋一, 坂脇, 園子, 喜屋武, 玲子, 平山, 傑, 坂脇, 英志, 沢本, 圭悟, 成松, 英智
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 2015
The Japanese Association for the Surgery of Trauma
Subjects
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.29.341

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Summary:当院における骨盤輪,寛骨臼骨折を含む多発外傷患者の24時間以内の治療成績を後ろ向きに検討した.当院では2009年以前は循環動態が不安定な骨盤骨折に対し,経動脈的塞栓術(TAE)を優先して行っていた.それ以降はpelvic packingと創外固定をprimary survey中に行うプロトコールに変更した.24時間以内の死亡に係る因子を,患者背景,治療介入と合わせて検討した.2006年1月から2011年12月までに当院に搬送され,骨盤輪,寛骨臼骨折の診断がつき,ISS17以上の118例を対象とし,生存群97例と死亡群21例に分けて検討を行った.二項ロジスティック解析を用いて統計計算を行い,死亡に関わる因子としてISS,RTS,TAEを優先したプロトコール,pelvic packing施行が有意であった.治療のプロトコールの変更が骨盤輪,寛骨臼骨折を含む多発外傷患者の予後に影響していると考えられた.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.29.341