人工股関節全置換術後患者の退院後の思いと日常生活状況――構造化・半構造化インタビューからの分析

本研究の目的は,人工股関節全置換を受けた患者が,退院後日常生活を過ごしてみてどのように思っているのか,また入院中の患者教育がどのように活かされているのかを明らかにし,今後の示唆を得ることである.外傷が要因でなくかつ認知面の低下がない患者6名を対象とし,初回外来受診時に構造化・半構造化インタビューを行った.その結果,脱臼予防や日常生活指導のDVDの視聴,および理学療法士の指導で脱臼予防について意識できているが,退院後役立っていることは各自が退院後の生活を描いて理学療法士に質問した内容であった.また,5名が[日常生活で困りごとや不安がない]と語り,すぐに思いつくような大きな困りごとや不安がなく生活...

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Published in日本運動器看護学会誌 Vol. 18; pp. 31 - 38
Main Author 吉田, 好子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本運動器看護学会 28.02.2023
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ISSN2186-635X
2435-001X
DOI10.34324/jsmn.18.0_31

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Summary:本研究の目的は,人工股関節全置換を受けた患者が,退院後日常生活を過ごしてみてどのように思っているのか,また入院中の患者教育がどのように活かされているのかを明らかにし,今後の示唆を得ることである.外傷が要因でなくかつ認知面の低下がない患者6名を対象とし,初回外来受診時に構造化・半構造化インタビューを行った.その結果,脱臼予防や日常生活指導のDVDの視聴,および理学療法士の指導で脱臼予防について意識できているが,退院後役立っていることは各自が退院後の生活を描いて理学療法士に質問した内容であった.また,5名が[日常生活で困りごとや不安がない]と語り,すぐに思いつくような大きな困りごとや不安がなく生活できていることがわかる.しかし詳しく尋ねると【回復に対する前向きな気持ち】【回復への実感が伴えない不安】【指導や自身で工夫したことに対する思い】【回復を実感している現状】【期待通りに回復していない現状】【快適に過ごすための行動】の6つのことが示された.以上のことから,看護師も早期から退院後の生活に関心を持ち,理学療法士と協働して退院支援に繋げていく必要があると考える.
ISSN:2186-635X
2435-001X
DOI:10.34324/jsmn.18.0_31