横浜市立みなと赤十字病院における精神科救急・身体合併症病棟の現状と課題

精神科救急や身体合併症における総合病院精神科の役割は増大しているが,医療経済上の理由により,その病床数は年々減少している。そうしたなか,横浜市では新たに有床の総合病院精神科を確保・整備する中核病院構想を推進し,その一つとして当院は開院した。身体合併症医療は,身体科医師との良好な協力関係,精神科看護師の努力のうえに成り立っている。身体,精神疾患ともに入院が必要な患者は多く,精神科病棟が果たす役割は大きい。当院は,平成22年より精神科救急・合併症入院料を算定した。収益は改善したが,マンパワーが必要な業務に見合う人員を確保するのに十分とはいえず,精神科病棟を維持するには病院の理解が必要である。有床の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJapanese Journal of General Hospital Psychiatry Vol. 25; no. 4; pp. 354 - 362
Main Authors 嶋津, 奈, 石束, 嘉和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本総合病院精神医学会 2013
Japanese Society of General Hospital Psychiatry
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-5872
2186-4810
DOI10.11258/jjghp.25.354

Cover

More Information
Summary:精神科救急や身体合併症における総合病院精神科の役割は増大しているが,医療経済上の理由により,その病床数は年々減少している。そうしたなか,横浜市では新たに有床の総合病院精神科を確保・整備する中核病院構想を推進し,その一つとして当院は開院した。身体合併症医療は,身体科医師との良好な協力関係,精神科看護師の努力のうえに成り立っている。身体,精神疾患ともに入院が必要な患者は多く,精神科病棟が果たす役割は大きい。当院は,平成22年より精神科救急・合併症入院料を算定した。収益は改善したが,マンパワーが必要な業務に見合う人員を確保するのに十分とはいえず,精神科病棟を維持するには病院の理解が必要である。有床の総合病院精神科の存続には,行政がその役割,意義を適切に評価し,その機能に見合う診療報酬に改定することが重要である。 それにより精神障害の有無に関わらず安心した生活を送ることができる社会の実現が可能になる。
ISSN:0915-5872
2186-4810
DOI:10.11258/jjghp.25.354