コロナ感染症に対する不安や恐怖感は心疾患患者の身体活動量低下に関連する
【はじめに、目的】心疾患患者において,身体活動量の低下は再入院や死亡リスクに影響することが報告されている.COVID-19の感染拡大が続くコロナ禍において,COVID-19 感染症に対する不安や恐怖感は,心疾患患者の精神機能に影響を及ぼし,身体活動量を低下させている可能性がある.本研究の目的は,COVID-19 感染症に対する不安や恐怖感が,心疾患患者の身体活動量に関連するか明らかにすることである.本調査が明らかとなれば,身体活動量の促進に向けて,精神機能面に対する介入の必要性を示すことができる.【方法】横断的研究にて実施した.対象は当院の外来心臓リハビリテーションを実施している者とした.歩行...
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Published in | 日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集 p. 24 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本予防理学療法学会
01.12.2022
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Summary: | 【はじめに、目的】心疾患患者において,身体活動量の低下は再入院や死亡リスクに影響することが報告されている.COVID-19の感染拡大が続くコロナ禍において,COVID-19 感染症に対する不安や恐怖感は,心疾患患者の精神機能に影響を及ぼし,身体活動量を低下させている可能性がある.本研究の目的は,COVID-19 感染症に対する不安や恐怖感が,心疾患患者の身体活動量に関連するか明らかにすることである.本調査が明らかとなれば,身体活動量の促進に向けて,精神機能面に対する介入の必要性を示すことができる.【方法】横断的研究にて実施した.対象は当院の外来心臓リハビリテーションを実施している者とした.歩行困難な者,医師より運動制限の指示がある者,骨関節疾患を有する者,指示理解が困難な者は除外した.評価項目は,身体活動量,基本属性(年齢,性別,BMI,喫煙歴,既往歴),左室駆出率,血液データ,服薬状況,The Fear of COVID-19 Scale(FCV-19S),抑うつ・不安(Hospita1 Anxiety and Depression Scale :HADS),Short Physical Performance Battery (SPPB),行動変容ステージ,握力,6分間歩行距離,身体活動調査時期(緊急時事態宣言期間中,まん延防止等重点措置期間中,制限)とした.身体活動量は,活動量計(Fitbit社)を1週間装着し,1日あたりの平均歩数を算出した.FCV-19Sは,COVID-19に対する不安や恐怖感を評価することができ,「COVID-19 が怖い」,「考えると不快になる」,「考えると動悸がする」,「心配で眠れない」,「COVID-19のニュースや話題をみると緊張したり,不安になったりする」などの 7 項目を 5 件法にて回答する質問票である.得点を7点から 35 点に換算し,得点が高いほどCOVID-19 への不安や恐怖感が強いことを示す.統計解析は,従属変数を身体活動量,その他の評価項目を独立変数とした単変量解析により要因を抽出し(有意水準5%),抽出された要因を独立変数とした多変量解析(ステップワイズ法)を行った(有意水準5%).【結果】52名(女性35名,平均年齢±標準偏差 71.7±7.8歳,平均 BMI±標準偏差 23.2±4.7,緊急時事態宣言期間中の調査者9名,まん延防止等重点措置期間中の調査者24名,制限の調査者19名)を対象とした.平均身体活動量±標準偏差は,5,531±2,389歩であった.単変量解析の結果,BNP(β=0.31,p=0.04),BUN(β=-0.40,p=0.01),Cre(β=-0.31,p=0.04),6分間歩行距離(β=0.31,p=0.02),FCV-19S(β=-0.51,p=0.01),抑うつが(β=-0.37,p=0.03)抽出された.多変量解析の結果,6分間歩行距離(β=0.47,p=0.01),FCV19S(β=-0.46,p=0.01)が抽出された(寄与率 53%).【結論】今回,FCV-19Sが心疾患患者の身体活動量に関連することが示された.心疾患患者の身体活動量の促進に向けて,COVID-19に対する不安や恐怖感への介入が必要であると考える.【倫理的配慮,説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言に則り,研究の目的や方法について説明を十分に行い,同意を得て実施した. |
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ISSN: | 2758-7983 |
DOI: | 10.57304/jsptpsuppl.1.Suppl.No.2.0_24 |