針刺しの報告率に関する文献レビュー

わが国における針刺しの報告率について実態を把握する目的で,2006~2015年に国内外で発行された論文について文献レビューを行った。針刺しの報告率の調査方法は,「針刺し経験者のうち報告した人の割合」を調査する方法と「発生した針刺しのうち報告された件数の割合」を調査する方法の2種類に分類され,前者を調査した論文のほうが多かった。いずれの方法によっても報告率が50%以下とする結果が多くみられた。報告しなかった主な理由は,使用前の鋭利器材であった,患者の感染症が陰性であった,忙しかった,などであった。医療従事者に対して,使用前の鋭利器材による針刺しを含めたすべての針刺し経験を必ず報告するように啓発す...

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Published in労働科学 Vol. 92; no. 5-6; pp. 63 - 70
Main Authors 平光, 良充, 木戸内, 清, 吉川, 徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人大原記念労働科学研究所 2016
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ISSN0022-443X
2187-2570
DOI10.11355/isljsl.92.63

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Summary:わが国における針刺しの報告率について実態を把握する目的で,2006~2015年に国内外で発行された論文について文献レビューを行った。針刺しの報告率の調査方法は,「針刺し経験者のうち報告した人の割合」を調査する方法と「発生した針刺しのうち報告された件数の割合」を調査する方法の2種類に分類され,前者を調査した論文のほうが多かった。いずれの方法によっても報告率が50%以下とする結果が多くみられた。報告しなかった主な理由は,使用前の鋭利器材であった,患者の感染症が陰性であった,忙しかった,などであった。医療従事者に対して,使用前の鋭利器材による針刺しを含めたすべての針刺し経験を必ず報告するように啓発する必要があると考えられる。(表1)
ISSN:0022-443X
2187-2570
DOI:10.11355/isljsl.92.63