腹部コンパートメント症候群に続発した閉創困難に対し創外固定具を使用した腹壁牽引が有用であった1例

症例は29歳,男性.工事現場での墜落による鉄骨支柱での会陰部杙創.鉄骨による仙骨骨折に伴う出血性ショックに対して緊急開腹止血術が行われ,持続陰圧吸引療法(Vaccum pack closure:以下VPC)を用いた開腹創管理(Open abdominal management:以下OAM)となった.術後,腸管浮腫の遷延および二次性の小腸穿孔を来し閉腹困難となった.最終的な閉創を目的として第19病日より整形外科用創外固定装置とVPCを併用した創管理を開始した.腹壁は連日,約2cmずつ近接してゆき,第27病日には腹壁が十分近接したため手術室にて定型的な閉腹が可能となった.OAM後の閉創困難症例に対...

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Published inJournal of the Japanese Association for the Surgery of Trauma Vol. 29; no. 4; pp. 399 - 403
Main Authors 矢野, 秀朗, 須田, 竜一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 2015
The Japanese Association for the Surgery of Trauma
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.29.399

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Summary:症例は29歳,男性.工事現場での墜落による鉄骨支柱での会陰部杙創.鉄骨による仙骨骨折に伴う出血性ショックに対して緊急開腹止血術が行われ,持続陰圧吸引療法(Vaccum pack closure:以下VPC)を用いた開腹創管理(Open abdominal management:以下OAM)となった.術後,腸管浮腫の遷延および二次性の小腸穿孔を来し閉腹困難となった.最終的な閉創を目的として第19病日より整形外科用創外固定装置とVPCを併用した創管理を開始した.腹壁は連日,約2cmずつ近接してゆき,第27病日には腹壁が十分近接したため手術室にて定型的な閉腹が可能となった.OAM後の閉創困難症例に対する整形外科用創外固定装置による閉腹方法は,一つの選択肢として有用である.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.29.399