小・中学校における特別支援教育コーディネーターの役割ストレスに関連する要因

本研究は、小・中学校における特別支援教育コーディネーター(以下、コーディネーターとする)の役割ストレスを検討することを目的とし、質問紙調査を実施した(有効回答376部)。そして、役割ストレスに関連する要因として、コーディネーターおよび学校の属性、職場風土(職場の雰囲気)、学校内におけるサポート、コーディネーション行動を取り上げて検討した。分散分析の結果、役割過重は児童生徒数と特別支援学級の有無による有意差が認められ、役割葛藤は、児童生徒数による有意差が認められた。また、役割曖昧は年齢、経験年数、校務分掌(学級担任、通級担任)、特別支援学級等の経験の有無による有意差が認められた。さらに、校長、同...

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Published in特殊教育学研究 Vol. 49; no. 5; pp. 457 - 467
Main Authors 長谷部, 慶章, 中村, 真理, 阿部, 博子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本特殊教育学会 01.01.2012
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ISSN0387-3374
2186-5132
DOI10.6033/tokkyou.49.457

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Summary:本研究は、小・中学校における特別支援教育コーディネーター(以下、コーディネーターとする)の役割ストレスを検討することを目的とし、質問紙調査を実施した(有効回答376部)。そして、役割ストレスに関連する要因として、コーディネーターおよび学校の属性、職場風土(職場の雰囲気)、学校内におけるサポート、コーディネーション行動を取り上げて検討した。分散分析の結果、役割過重は児童生徒数と特別支援学級の有無による有意差が認められ、役割葛藤は、児童生徒数による有意差が認められた。また、役割曖昧は年齢、経験年数、校務分掌(学級担任、通級担任)、特別支援学級等の経験の有無による有意差が認められた。さらに、校長、同僚教師などからサポートを受けていると感じているコーディネーター、および職場風土を良好ととらえているコーディネーターの役割ストレスは低かった。また、役割曖昧得点とコーディネーション行動各下位尺度得点、役割葛藤得点と職場風土認知得点間には中程度の負の相関が認められた。以上の結果から、学級担任がコーディネーターの役割を遂行することの困難さ、同僚教師の支援の重要性などが考察された。
ISSN:0387-3374
2186-5132
DOI:10.6033/tokkyou.49.457