腰椎手術を受けた高齢者における退院後の転倒・転落についての実態調査
本研究の目的は,腰椎手術を受けた65歳以上の患者を対象に退院後の転倒・転落の発生件数と転倒・転落が発生しやすい時期,場所,発生原因について調査することである.調査は郵送法による無記名自記式質問紙調査とし,175名の有効回答が得られた.退院後に転倒・転落があった患者は72名(41.1%)であった.屋内での転倒・転落は59件で,多かった場所はリビング16件,多かった発生原因は足を引っ掛け躓きによる転倒・転落が20件であった.屋外での転倒・転落は33件で,多かった場所は歩道10件,多かった発生原因は歩道を歩行中に転倒10件であった.発生件数が多かった時期は退院後1年(19件),退院後1ヶ月(15件)...
Saved in:
Published in | 日本運動器看護学会誌 Vol. 16; pp. 24 - 30 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本運動器看護学会
28.02.2021
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2186-635X 2435-001X |
DOI | 10.34324/jsmn.16.0_24 |
Cover
Loading…
Summary: | 本研究の目的は,腰椎手術を受けた65歳以上の患者を対象に退院後の転倒・転落の発生件数と転倒・転落が発生しやすい時期,場所,発生原因について調査することである.調査は郵送法による無記名自記式質問紙調査とし,175名の有効回答が得られた.退院後に転倒・転落があった患者は72名(41.1%)であった.屋内での転倒・転落は59件で,多かった場所はリビング16件,多かった発生原因は足を引っ掛け躓きによる転倒・転落が20件であった.屋外での転倒・転落は33件で,多かった場所は歩道10件,多かった発生原因は歩道を歩行中に転倒10件であった.発生件数が多かった時期は退院後1年(19件),退院後1ヶ月(15件)であった.本研究で,65歳以上の腰椎術後患者は地域在住高齢者よりも転倒・転落が発生する可能性が高いことが明らかとなった.また,転倒・転落が発生しやすい時期,場所,発生原因が本研究によって示された.しかし本研究は,1施設の患者を対象とした調査であり,地域性も踏まえたデータを調査していくことも今後の課題である. |
---|---|
ISSN: | 2186-635X 2435-001X |
DOI: | 10.34324/jsmn.16.0_24 |