当科における甲状腺進行癌の検討

当科にて治療を行ったStageⅣの甲状腺進行癌に関して臨床的検討を行った。25例(男性14例,女性11例)あり,病理型は乳頭癌16例,濾胞癌1例,髄様癌1例,低分化癌1例,扁平上皮癌2例,未分化癌4例であった。乳頭癌はAMES分類において全例ハイリスク群の進行癌であり,根治手術を施行した。5年疾患特異的生存率は83.3%であった。扁平上皮癌と未分化癌症例は早期に原病死しており,全25例の5年粗生存率は48.4%と低かった。乳頭癌16例中9例で反回神経を切除し,4例で神経再建を施行した。再建例はいずれも良好な発声を維持できていた。反回神経非切除例の無病生存率は反回神経切除例より有意に高かった。甲...

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Published in日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 35; no. 1; pp. 47 - 52
Main Authors 真栄田, 裕行, 金城, 秀俊, 鈴木, 幹男, 安慶名, 信也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会 2018
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ISSN2186-9545
DOI10.11226/jaesjsts.35.1_47

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Summary:当科にて治療を行ったStageⅣの甲状腺進行癌に関して臨床的検討を行った。25例(男性14例,女性11例)あり,病理型は乳頭癌16例,濾胞癌1例,髄様癌1例,低分化癌1例,扁平上皮癌2例,未分化癌4例であった。乳頭癌はAMES分類において全例ハイリスク群の進行癌であり,根治手術を施行した。5年疾患特異的生存率は83.3%であった。扁平上皮癌と未分化癌症例は早期に原病死しており,全25例の5年粗生存率は48.4%と低かった。乳頭癌16例中9例で反回神経を切除し,4例で神経再建を施行した。再建例はいずれも良好な発声を維持できていた。反回神経非切除例の無病生存率は反回神経切除例より有意に高かった。甲状腺乳頭癌の反回神経浸潤例は遠隔転移のリスクが高いだけでなく,局所再発の指標となりうるため,十分な治癒切除と再発・転移の早期発見・治療が重要である。
ISSN:2186-9545
DOI:10.11226/jaesjsts.35.1_47