アルキル化N-ベンゾイル-N′-フユニルウレア誘導体の合成と殺虫活性及び水棲動物に対する毒性

N-ベンゾイル-N′-フェニルウレアの窒素原子のアルキル化を広範囲の誘導体に対して検討したところ, アルキル化した化合物の水棲動物に対する毒性が, 著しく減少することが認められた. 1H-NMRスペクトルの研究から, 溶液中で非アルキル化N-ベンゾイル-N′-フェニルウレア化合物間に, 会合錯体が生成するのに対して, アルキル化した化合物では, そのような錯体は生成しないことが示唆された. さらに, このような会合錯体生成の有無が水棲動物に対する毒性に関係していることが推定された. アルキル化した化合物の中では, N-ベンゾイル-N′-メチル-N′-フェニルウレア誘導体が最も高い殺虫活性を示し...

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Published inJournal of Pesticide Science Vol. 23; no. 3; pp. 250 - 254
Main Authors 藤井, 康弘, 小柳, 徹, 森田, 雅之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 1998
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ISSN1348-589X
1349-0923
DOI10.1584/jpestics.23.250

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Summary:N-ベンゾイル-N′-フェニルウレアの窒素原子のアルキル化を広範囲の誘導体に対して検討したところ, アルキル化した化合物の水棲動物に対する毒性が, 著しく減少することが認められた. 1H-NMRスペクトルの研究から, 溶液中で非アルキル化N-ベンゾイル-N′-フェニルウレア化合物間に, 会合錯体が生成するのに対して, アルキル化した化合物では, そのような錯体は生成しないことが示唆された. さらに, このような会合錯体生成の有無が水棲動物に対する毒性に関係していることが推定された. アルキル化した化合物の中では, N-ベンゾイル-N′-メチル-N′-フェニルウレア誘導体が最も高い殺虫活性を示した. フェニル部分の構造-活性相関を検討したところ, 脂溶性の基が置換したフェノキシフェニルあるいはビフェニル基が好ましい結果を与えた.
ISSN:1348-589X
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.23.250