MPS法によるスカラー波動解析の基礎的検討

MPSによる1次元および2次元のスカラー波(音波)解析の定式化, 安定条件・速度分散特性の考察を行った. 更に, 実際に時間応答を計算して, 解析解を念頭に結果を検討したところ, よく一致することを確認した. 本研究で明らかになった主な点を以下に示す. (1) 粒子を座標軸上に均等配置した場合, 粒子間相互作用モデルは, あるクーラン数, 影響半径において, 中心差分と全く同じ定式化になることがある. (2) 影響半径を大きくすると, 「中心差分法におけるクーラン数の安定条件」よりも大きくなった. 影響半径が, ある大きさを超えると, Δh/Δt が位相速度よりも小さい場合でも安定に計算できる...

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Published in日本計算工学会論文集 Vol. 2013; p. 20130019
Main Authors 佐藤, 雅弘, 片山, 真人, 春木, 孝之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本計算工学会 2013
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Summary:MPSによる1次元および2次元のスカラー波(音波)解析の定式化, 安定条件・速度分散特性の考察を行った. 更に, 実際に時間応答を計算して, 解析解を念頭に結果を検討したところ, よく一致することを確認した. 本研究で明らかになった主な点を以下に示す. (1) 粒子を座標軸上に均等配置した場合, 粒子間相互作用モデルは, あるクーラン数, 影響半径において, 中心差分と全く同じ定式化になることがある. (2) 影響半径を大きくすると, 「中心差分法におけるクーラン数の安定条件」よりも大きくなった. 影響半径が, ある大きさを超えると, Δh/Δt が位相速度よりも小さい場合でも安定に計算できることが分かった. (3) 安定条件内では, Δh/Δt に対して, クーラン数が大きいほど, また影響半径が小さいほど速度分散が少ない. 平面波の進行方向における速度分散特性は, 差分法に似ている.
ISSN:1347-8826
DOI:10.11421/jsces.2013.20130019