経十二指腸乳頭直接胆汁採取法における胆汁中分離菌の検討
消化器疾患に対する内視鏡を応用した診断および治療学の進歩は著しく,胆道系,膵疾患の分野においてもERCP(endoscopic retrograde cholangiopancreatography),ERBD(endoscopic retrograde biliary drainage)などの手技は広く普及しつつある.このような診断や治療を行う上で,器具,その他の操作に伴う細菌混入や逆行性感染も重要な問題であり,内視鏡的に採取した胆汁内の細菌学的検索,および無菌的に行われたそれとの比較検討は合併症の予防および治療上において臨床上極めて有意義なことと考えられる.今回われわれはこの目的に沿い内視...
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Published in | 胆道 Vol. 1; no. 3; pp. 372 - 376 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
1987
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando1987.1.3_372 |
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Summary: | 消化器疾患に対する内視鏡を応用した診断および治療学の進歩は著しく,胆道系,膵疾患の分野においてもERCP(endoscopic retrograde cholangiopancreatography),ERBD(endoscopic retrograde biliary drainage)などの手技は広く普及しつつある.このような診断や治療を行う上で,器具,その他の操作に伴う細菌混入や逆行性感染も重要な問題であり,内視鏡的に採取した胆汁内の細菌学的検索,および無菌的に行われたそれとの比較検討は合併症の予防および治療上において臨床上極めて有意義なことと考えられる.今回われわれはこの目的に沿い内視鏡的に十二指腸乳頭より直接胆汁を採取し,胆汁中細菌についての検討を行った. グラム陰性桿菌としては P. aeruginosa, Klebsiella, E. coli の順で検出された.嫌気性菌としてはClostridium perfringensが2例(2.4%)に検出された. S. faecalis が最も高率で検出されたが, P. aeruginosa, S. faecalis, 酵母様菌などは混入菌としての可能性が推測された. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando1987.1.3_372 |