後腹膜気腫・縦隔気腫を認めた上行結腸癌穿通の1例

症例は85歳，男性．右下腹部痛を主訴に当院を受診した．胸腹部CTにて後腹膜気腫，縦隔気腫と上行結腸に閉塞機転となる壁肥厚が認められ，閉塞性大腸癌を疑い結腸右半切除術（D3）を施行した．後腹膜腔および右側結腸間膜～胃結腸間膜内に気腫を認めたが，膿瘍や播種は認めなかった．切除標本にて2型腫瘍の潰瘍底に腸間膜への穿通が認められ，組織学的診断は高分化型管状腺癌pT3N0M0 StageIIaであった．後腹膜膿瘍や縦隔炎などの感染性合併症は認めず，第13病日に退院した．縦隔気腫を伴う大腸穿孔の本邦報告例は26例のみで，若干の文献的考察を加え報告する．...

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Bibliographic Details
Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 74; no. 1; pp. 39 - 44
Main Authors 安原, 裕美子, 武元, 浩新, 廣田, 昌紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2020
Subjects
大腸癌
後腹膜気腫
縦隔気腫
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.74.39

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Summary:症例は85歳，男性．右下腹部痛を主訴に当院を受診した．胸腹部CTにて後腹膜気腫，縦隔気腫と上行結腸に閉塞機転となる壁肥厚が認められ，閉塞性大腸癌を疑い結腸右半切除術（D3）を施行した．後腹膜腔および右側結腸間膜～胃結腸間膜内に気腫を認めたが，膿瘍や播種は認めなかった．切除標本にて2型腫瘍の潰瘍底に腸間膜への穿通が認められ，組織学的診断は高分化型管状腺癌pT3N0M0 StageIIaであった．後腹膜膿瘍や縦隔炎などの感染性合併症は認めず，第13病日に退院した．縦隔気腫を伴う大腸穿孔の本邦報告例は26例のみで，若干の文献的考察を加え報告する．
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.74.39