リハビリテーション治療によりフレイルが改善したアルコール性非代償性肝硬変の1症例

症例はアルコール性肝硬変の60歳代男性.20XX-1年10月から禁酒を行っていたが,20XX年6月より飲酒量が増加し,Child-Pugh class Cの非代償性肝硬変となった.さらに,倦怠感から日常生活が困難となり,肝硬変の管理とリハビリテーション治療目的に20XX年8月に当院入院となった.入院中,1エクササイズ相当(3 METs×20分)のリハビリテーション治療を実施した.運動実施率は98.3%(15/16日)であった.その結果,6分間歩行テストは250 mから442 mに改善し,Liver Frailty Indexも3.85(pre-frail)から2.86(robust)に改善した...

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Published in肝臓 Vol. 65; no. 11; pp. 559 - 565
Main Authors 川口, 真知子, 服部, 優依, 天野, 恵介, 佐野, 有哉, 岡田, 晃代, 永松, あゆ, 川口, 巧, 松瀬, 博夫, 園田, ルミ子, 神谷, 俊次, 中野, 暖, 戸次, 鎮宗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 01.11.2024
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.65.559

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Summary:症例はアルコール性肝硬変の60歳代男性.20XX-1年10月から禁酒を行っていたが,20XX年6月より飲酒量が増加し,Child-Pugh class Cの非代償性肝硬変となった.さらに,倦怠感から日常生活が困難となり,肝硬変の管理とリハビリテーション治療目的に20XX年8月に当院入院となった.入院中,1エクササイズ相当(3 METs×20分)のリハビリテーション治療を実施した.運動実施率は98.3%(15/16日)であった.その結果,6分間歩行テストは250 mから442 mに改善し,Liver Frailty Indexも3.85(pre-frail)から2.86(robust)に改善した.運動に伴う肝予備能低下や転倒は認めなかった.本症例の経過から,Child-Pugh class Cの非代償性肝硬変患者でも,患者の状態や身体機能に応じてリハビリテーション治療を検討すべきであると考えられる.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.65.559