医療に係る安全管理のための職員研修に関する事例報告:研修義務化直後の6病院での取り組みを通して

医療に係る安全管理のための職員研修(以下,安全研修)について事例的に把握するために聞き取り調査を行った。その結果,安全研修は対象を全職種にして義務で課された2回におさめる病院と職種限定の研修を含めて年3回以上を開催している病院があった。安全研修は医療安全管理室が主体になって開催していたが,テーマの選定や実施においては委員会が部門間をつなぐ役割を果たしていた。連携をはじめとする医療安全管理室が対面する困難には,委員会の調整や情報伝達の徹底などが挙げられ,職種間のコミュニケーションではマニュアルを活用しているなどの対応が報告された。ただし医療安全管理室がとる工夫への言及は少なく,担当者自身がまだ困...

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Published in労働科学 Vol. 94; no. 5; pp. 132 - 141
Main Authors 安達, 悠子, 松本, 友一郎, 臼井, 伸之介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人大原記念労働科学研究所 2018
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Summary:医療に係る安全管理のための職員研修(以下,安全研修)について事例的に把握するために聞き取り調査を行った。その結果,安全研修は対象を全職種にして義務で課された2回におさめる病院と職種限定の研修を含めて年3回以上を開催している病院があった。安全研修は医療安全管理室が主体になって開催していたが,テーマの選定や実施においては委員会が部門間をつなぐ役割を果たしていた。連携をはじめとする医療安全管理室が対面する困難には,委員会の調整や情報伝達の徹底などが挙げられ,職種間のコミュニケーションではマニュアルを活用しているなどの対応が報告された。ただし医療安全管理室がとる工夫への言及は少なく,担当者自身がまだ困惑したり解決策を模索したりしている段階にある様子であった。(表8)
ISSN:0022-443X
2187-2570
DOI:10.11355/isljsl.94.132