十二指腸静脈瘤の臨床像の検討
当院で経験した十二指腸静脈瘤症例17例について,経過観察群と治療群とに分けてretrospectiveに臨床像および治療方法・成績,予後などにつき検討を行った.男性12例,女性5例で,平均年齢は62歳.基礎疾患はウイルス性肝硬変6例,アルコール性肝硬変7例,非B非C肝硬変2例,特発性門脈圧亢進症(IPH)1例,肝外門脈閉塞症(EHO)1例.局在部位は,球部2例,下行脚13例,水平脚2例で,形態はF1 10例,F2 5例,F3 2例,うち3例でびらんないし潰瘍を伴い,3例でRCサインを伴っていた.無治療で経過観察した12例と待期的ないし予防的に治療を行った5例で背景因子を比較したところ,治療群で...
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Published in | Japanese Journal of Portal Hypertension Vol. 18; no. 2; pp. 127 - 134 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本門脈圧亢進症学会
2012
The Japan Society for Portal Hypertension |
Subjects | |
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ISSN | 1344-8447 2186-6376 |
DOI | 10.11423/jsph.18.127 |
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Summary: | 当院で経験した十二指腸静脈瘤症例17例について,経過観察群と治療群とに分けてretrospectiveに臨床像および治療方法・成績,予後などにつき検討を行った.男性12例,女性5例で,平均年齢は62歳.基礎疾患はウイルス性肝硬変6例,アルコール性肝硬変7例,非B非C肝硬変2例,特発性門脈圧亢進症(IPH)1例,肝外門脈閉塞症(EHO)1例.局在部位は,球部2例,下行脚13例,水平脚2例で,形態はF1 10例,F2 5例,F3 2例,うち3例でびらんないし潰瘍を伴い,3例でRCサインを伴っていた.無治療で経過観察した12例と待期的ないし予防的に治療を行った5例で背景因子を比較したところ,治療群でF2,F3と太い静脈瘤が多く,超音波内視鏡(EUS)による静脈瘤径も太い傾向にあった.また,治療例ではCA(cyanoacrylate系薬剤)および5% EOI(Ethanolamine oleate with iopamidol)の併用による硬化療法が有用であり,複数回の治療を要した1例を除き,再発・再出血を認めなかった.2例に治療後一過性の門脈血栓症を認めたが,いずれも保存的に軽快した. |
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ISSN: | 1344-8447 2186-6376 |
DOI: | 10.11423/jsph.18.127 |