患者プロファイル情報管理の課題と改善策

患者の全体像を把握するための患者プロファイルが真に有用な情報として整備されるために,3大学病院における患者プロファイル情報(PPI)項目の整備状況と,データの登録状況を調査し,課題を明らかにして改善策を検討した.調査項目は患者プロファイル情報基盤研究会が作成した暫定標準データ項目とした.情報の精度を高めるデータ項目,健康行動の項目および病歴項目の整備率は低く,整備されている項目でも登録率50%以上は入院患者でも3割前後であり,登録は病棟では看護職が主に担い,外来では医師が担っていた.看護職が多くない外来では基本的な項目でも登録率は極めて低く,PPIは極めて不完全であった.この状況に対する改善策...

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Published in医療情報学 Vol. 37; no. 3; pp. 125 - 133
Main Authors 栗原, 幸男, 石田, 博, 樫部, 公一, 木村, 映善, 島井, 健一郎, 田中, 武志, 丹下, 正章, 中島, 典昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療情報学会 2017
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Summary:患者の全体像を把握するための患者プロファイルが真に有用な情報として整備されるために,3大学病院における患者プロファイル情報(PPI)項目の整備状況と,データの登録状況を調査し,課題を明らかにして改善策を検討した.調査項目は患者プロファイル情報基盤研究会が作成した暫定標準データ項目とした.情報の精度を高めるデータ項目,健康行動の項目および病歴項目の整備率は低く,整備されている項目でも登録率50%以上は入院患者でも3割前後であり,登録は病棟では看護職が主に担い,外来では医師が担っていた.看護職が多くない外来では基本的な項目でも登録率は極めて低く,PPIは極めて不完全であった.この状況に対する改善策として,PPIデータ項目を標準化し,整備する意識を高め,各医療機関でのデータ充足を促し,健診機関も含めた地域医療機関でのPPIデータの共有を進め,地域でPPIを整備する仕組みを確立することを提案する.
ISSN:0289-8055
2188-8469
DOI:10.14948/jami.37.125