Delayed Auditory Feedbackと耳小骨筋反射

delayed auditory feedbackによる発語の変化 (DAF効果) と耳小骨筋反射 (AR) の関係を検討するために, 正常者40名と脳幹, 左半球, 右半球がそれぞれ障害された者15名ずつを選んで実験した。 実験は50音と単語の復唱のDAF効果を調べ, ARの域値と振幅を両耳で測定して比較検討した。 その結果, 次のことがわかった。 1) 正常者ではDAF効果 (+) と (-) があり, 前者はARの出現がよいのに対して, 後者はARの出現が悪くしかもdecayを示す傾向がみられた。 2) 脳損傷者では, 脳幹障害群にDAF効果 (-) でARの出現の悪い例が多かった。 そ...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 25; no. 1; pp. 1 - 6
Main Author 永渕, 正昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 1982
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Summary:delayed auditory feedbackによる発語の変化 (DAF効果) と耳小骨筋反射 (AR) の関係を検討するために, 正常者40名と脳幹, 左半球, 右半球がそれぞれ障害された者15名ずつを選んで実験した。 実験は50音と単語の復唱のDAF効果を調べ, ARの域値と振幅を両耳で測定して比較検討した。 その結果, 次のことがわかった。 1) 正常者ではDAF効果 (+) と (-) があり, 前者はARの出現がよいのに対して, 後者はARの出現が悪くしかもdecayを示す傾向がみられた。 2) 脳損傷者では, 脳幹障害群にDAF効果 (-) でARの出現の悪い例が多かった。 そして大脳半球障害群 (特に右側) にDAF効果 (+) でAR出現もよい例が多くみられた。 3) DAF効果と脳幹に反射弓をもつARの間に関連性が示唆された。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.25.1